2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on a Planning Methodology to Guide Long-Term Rational Decision-Making in an Era of Frequent Disasters
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22H01657
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋田 典子 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (20447345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 勝也 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00271883)
荒木 笙子 東北大学, 工学研究科, 助教 (20897524)
窪田 亜矢 東北大学, 工学研究科, 教授 (30323520)
桑田 仁 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (50276458)
本田 利器 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60301248)
益邑 明伸 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (80882810)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 災害復旧 / 災害復興 / 津波 / 土砂災害 / 防災集団移転 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、復興事業における意思決定の長期的合理性を把握するために、以下の3つのポイントに基づき研究を行なった。1)防災集団移転事業の原型の分析:昨年度実施した現在の災害復興制度の原型となっている約50年前の主に土砂災害を起因とする防災集団移転事業(長野県伊那谷地域、熊本県天草地域)を対象に、政府がどのように復興事業の実施を判断し、住民がどのような移動を行い、その後の住まいがどのように変化したのかを具体的に調査・分析し論文として取りまとめた。初期の防災集団移転事業においては、高度経済成長期の中で課題となっていた地方都市の過疎化の問題が強く意識されており、また第一次産業から第二次産業への移行期であったことも移転事業に影響を及ぼしていたことが明らかになった。2)復興事業に伴うコンフリクト発生経緯の把握:復興事業の実施過程で発生したコンフリクトを把握するために、地元新聞データベースを活用したコンフリクト発生状況の分析を行った。コンフリクトの発生は大きく分けて住民・行政、住民・事業者、住民・住民のパターンがあり、このうち住民・住民の場合は解決が困難で復興事業終了後にも課題が残る可能性がある。実際に復興事業に対する反対運動やコンフリクトが発生していた地域(宮城県・福島県)において、合意形成過程の詳細プロセスを把握するために、住民インタビューを実施して、これをオーラルヒストリーとしてまとめる作業を行なった。3)津波被災地に加えて水害被災地でのヒアリングを行い、災害の種類の違いにより、同じ移転事業などでも移転する場所や移転のコミュニティに与える影響がどのように異なるのかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は概ね予定通りに進んでいる。本年度の研究成果により新たな知見も得られたことから、これを踏まえて、単一の災害の復興だけでなく、復興事業の背景となる社会制度や社会認識の変化なども踏まえながら、更に研究成果の充実を図りたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り進めてゆく予定である。ただし、計画申請時には予期しなかった能登半島地震などの新たな災害が発生したことから、現時点における最新の災害復旧、災害復興の状況も参照しつつ、災害復興における新たな長期的合理的意思決定のあり方について更なる検討を進めてゆく。また、来年度は研究の最終年にあたるため、復興事業が一段落した東日本大震災の被災地の個別地区の事例を改めて取り上げ、長期的合理的意思決定という観点から、復興まちづくりと通常のまちづくりをどのように接続させてゆくべきか、という観点で総合考察を行う。
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Research Products
(4 results)