2022 Fiscal Year Annual Research Report
土砂災害の外力と境界条件に基づくリスク評価を用いた山地林のゾーニング手法の開発
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22H02383
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀田 紀文 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00323478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厚井 高志 北海道大学, 広域複合災害研究センター, 准教授 (40845294)
執印 康裕 九州大学, 農学研究院, 教授 (60221305)
ゴメス クリストファー 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (20800577)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 表層崩壊 / 斜面安定解析 / ゾーニング / 火山地域 / 地震 / 土石流 / 土砂流出 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はまず既存のモデルの適用性について,実験データや現地データを用いて検証を実施し,今後のモデルの改良方針について検討を行った. 表層崩壊モデルに関しては,降雨特性についての応答性を確認した.本研究においては,土砂災害の危険性を確率年の形でいったん整理することで,地域性を踏まえた形でリスクマップを作成することを目指している.表層崩壊モデルにおいては,降雨時の地下水位の上昇によって生じる有効応力の低下が安全率の低下を引き起こすが,地下水位は降雨に対して非線形性の応答を示すため,確率雨量による単純な評価が出来ないことに注意を要する. 土石流モデル,土砂流出モデルについても検討を行った.土石流に関しては,土石流扇状地で生じる首振りなどの(非対称な)現象が土石流材料の粒度分布によって生じることをあきらかにした.既往のモデルの多くは均一粒径モデルであり,それらで評価することは難しいため,当初想定していた一流体モデル(:浅水流方程式や粒子法)だけでなく,二流体モデルによる検討も行うこととした.また,土砂流出モデルに関しては,斜面部のconnectivityを適切に評価しなければ,生産土砂が河道に到達せずに堆積する場合や,逆に河道に堆積した不安定土砂が一気に流下するケースなど,モデルによる再現性に問題が生じることがあることが明らかになった. その他,森林水文プロセスや森林構造に関するデータの取得を複数サイトにおいて実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに研究が進んでいるが,土石流と土砂流出モデルについては,当初予定していたモデルより複雑なモデルを用いることを検討しており,それに対応する形で,モデルの検証(実験,現地データとの比較)を細かく実施したため,スケジュールが一部変更となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,計画に沿って研究を実施していく.
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Research Products
(11 results)