2023 Fiscal Year Annual Research Report
土砂災害の外力と境界条件に基づくリスク評価を用いた山地林のゾーニング手法の開発
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22H02383
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀田 紀文 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00323478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ゴメス クリストファー 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (20800577)
厚井 高志 北海道大学, 広域複合災害研究センター, 准教授 (40845294)
執印 康裕 九州大学, 農学研究院, 教授 (60221305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 表層崩壊 / 斜面安定解析 / ゾーニング / 火山地域 / 地震 / 土石流 / 土砂流出 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は引き続き既存モデルの適用性について,検証を行うとともに,各モデルの改良を開始した. 斜面崩壊モデルに関して,従来は森林根系による補強効果を土質強度定数(粘着力)の増加として評価してきたが,現地による地下の根系分布の測定と,崩壊深度の検討から,従来モデルの適用時におく仮説が適切ではない可能性が指摘された.すべり面より上層の水平根の引き抜き試験などを用いて検討したところ,従来モデルと同程度の補強効果が見込めることが明らかとなった.今後モデルの改良に取り組むが,森林根系の補強効果による崩壊サイズの変化が検討できる点で,従来モデルに対する優位性が期待できる.また,地震外力を確立楕円として評価し,地震時加速度の空間分布を斜面安定解析に組み込んだところ,胆振東部地震時に生じた表層崩壊を,斜面方位を含めて良好に再現することができた. 土石流モデルについては,昨年度検討の実験データを用いて二流体モデルを検討したところ,浅水流方程式や粒子法などの一流体モデルに対して,流れの急変部で再現性が向上することが明らかになった.ただし,その差異はそれほど大きくないため,計算時間の問題や,計算条件の設定の容易さなどから,本研究では浅水流方程式を用いたモデルで土石流の到達範囲を評価することとした.土砂流出モデルについては,河道の堆積土砂量を実測値から与えたところ,比較的良好な再現性が得られた.今後は斜面崩壊モデルや土石流モデルと組み合わせて,土砂の生産源を適切に組み込んだうえで,最終的なリスクマップを作成することとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに研究が進んでいるが,研究サイトの変更・追加や,ドローンの墜落による調査計画の延期など,当初想定していなかった状況で,スケジュールに変更は生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,計画に沿って研究を実施していく.
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Research Products
(19 results)