2022 Fiscal Year Annual Research Report
治療抵抗性統合失調症に対する最新鋭ニューロモジュレーションの開発
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22H03002
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 振一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 賀大 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (20807226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 治療抵抗性統合失調症 / ニューロモジュレーション / QPS / TMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、治療抵抗性統合失調症のQPS治療を開発するにあたり、ドーパミン神経系、グルタミン酸神経系、GABA神経系について、治療反応性との関係をマルチモーダルMRIとTMS脳波、メタボロミクス、神経心理検査を用いて、生化学・神経生理の観点から評価した。治療抵抗性統合失調症患者、寛解統合失調症患者、健常人において、核磁気共鳴スペクトロスコピーで計測した中帯状回のGABA濃度を比較した。統合失調症の治療抵抗性と中帯状回のGABA濃度の上昇が関与していることを明らかにした(Nakajima, Ueno, Iwata, et al.)。治療抵抗性統合失調症患者、寛解統合失調症患者、健常人において、脳波を用いて、聴性定常脳波を計測・比較した。統合失調症の治療抵抗性とガンマ共振の異常が関与していることを明らかにした(Ogyu et al.)。治療抵抗性統合失調症患者、寛解統合失調症患者、健常人において、音楽神経生理検査を用いて、音楽リズム機能を計測・比較した。統合失調症の治療抵抗性とリズム生成機能の異常が関与していることを明らかにした(Honda et al.)。これらの知見により、統合失調症の治療抵抗性と、脳内のドーパミン神経活動と興奮抑制均衡の相互作用の異常が関与していることが示唆された。また、今後のTMS治療研究において、これらをバイオマーカーとして用いることで、TMS治療のプレシジョン・メディシンを開発することが可能になる。これらを総説としてまとめ、Molecular Psychiatry誌に発表した。パイロット研究として、統合失調症の認知機能障害・陰性症状という難治性症状を治療目的とした臨床研究を開始した。すでに認定臨床研究審査委員会(CRB)の承認済である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書の準備、CRBへの申請を行い、承認を得た。また、治療抵抗性統合失調症のQPS治療を開発するにあたり、ドーパミン神経系、グルタミン酸神経系、GABA神経系について、治療反応性との関係をマルチモーダルMRIとTMS脳波、メタボロミクス、神経心理検査を用いて、生化学・神経生理の観点から評価し、上述のように成果を論文として発表した。これらの結果から、統合失調症の治療抵抗性と、脳内のドーパミン神経活動と興奮抑制均衡の相互作用の異常が関与していることが示唆された。今後のTMS治療研究において、これらをバイオマーカーとして用いることで、TMS治療のプレシジョン・メディシンを開発することが可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者の組み入れを進め、QPS治療、臨床評価、MRI撮像、脳波を中心とした神経生理検査、採血を行い、サンプルの集積を行っていく。
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Research Products
(35 results)
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[Presentation] Reduced signal propagation from the left dorsolateral prefrontal cortex to the salience network associated with oligodendrocyte abnormalities in treatment-resistant depression.2023
Author(s)
Wada M, Nakajima S, Honda S, Takano M, Taniguchi K, Tsugawa S, Mimura Y, Hattori N, Koike S, Zomorrodi R, Blumberger D, Daskalakis Z, Mimura M, Noda Y
Organizer
5th International Brain Stimulation Conference
Int'l Joint Research
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[Presentation] 統合失調症の全脳及び局所脳血流と治療反応性の関連の検討2022
Author(s)
本多 栞, 尾久 守侑, 野田 賀大, 松下 佳鈴, 戸張 維, 楠戸 恵介, 加藤 英生, 小泉 輝樹, 内田 裕之, 藤井 進也, 三村 將, 中島 振一郎
Organizer
第52回日本臨床神経生理学会
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[Presentation] 治療抵抗性統合失調症における40Hz聴性刺激誘発脳波の検討2022
Author(s)
尾久 守侑, 松下 佳鈴, 本多 栞, 和田 真孝, 田村 俊介, 竹ノ内 一雅, 戸張 維, 楠戸 恵介, 加藤 英生, 小泉 輝樹, 新井 脩泰, 是木 明宏, 松井 三枝, 内田 裕之, 藤井 進也, 女屋 光基, 平野 羊嗣, 三村 將, 中島 振一郎, 野田 賀大
Organizer
第52回日本臨床神経生理学会学術大会
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[Presentation] 治療抵抗性うつ病におけるTMS-EEG同時計測法による左背外側前頭前野から顕著性ネットワークへの信号伝播の低下およびオリゴデンドロサイトの発現低下2022
Author(s)
和田真孝, 中島振一郎, 本多栞, 髙野万由子, 谷口敬太, 津川幸子, 三村悠, 服部菜々穂, 小池進介, 三村將, 野田賀大
Organizer
第52回日本臨床神経生理学会学術大会
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[Presentation] 術前の聴覚賦活刺激反応脳波と術後せん妄の関連性についての生理学的検討2022
Author(s)
新井 脩泰, 宮崎 貴浩, 中島 振一郎, 岡本 駿, 盛山 宗太郎, 新家 寛太, 高山公輔, 加藤 純悟, 中村 一太, 平野 羊嗣, 北郷 実, 北川 雄光, 高橋 辰郎, 志水 秀行, 三村 將, 野田 賀大
Organizer
第52回日本臨床神経生理学会学術大会