2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of the molecular pathways interconnecting malignant phenotypes in therapy-resistant pancreatic cancer toward development of new strategy against therapy resistance
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22H03144
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
源 利成 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (50239323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 知治 金沢大学, がん進展制御研究所, 研究協力員 (30397210)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵がん / 治療獲得耐性 / 腫瘍浸潤 / がん幹細胞性 / 糖代謝改変 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍浸潤、がん幹細胞性と糖代謝改変(Warburg効果)はがん治療耐性獲得の主要因であるが、これまでは個別の悪性形質として研究されてきた。本研究は抗がん剤耐性を獲得した膵がん細胞とマウス同所移植腫瘍を対象に、これらの悪性形質に共通して作用する細胞のしくみ(分子経路)を究明する。これにより、膵がん治療が直面している抗がん剤耐性獲得という難題を解明し、その効果的な治療法開発の基盤となる知見を得ることを目的とする。 ゲムシタビン(GEM)耐性獲得膵がん細胞で、GSK3βが固有の分子経路を介して耐性関連悪性形質に作用するかを検討した。その結果、GEM耐性細胞のGSK3β阻害により、(1) Rho-Rac1基軸経路の抑制とマトリクス分解酵素の不活性化にともない、葉状仮足や浸潤仮足の形成が減弱し、細胞遊走と浸潤が抑制された; (2) がん幹細胞性や抗がん剤耐性をともに誘導するsignal transducer and activator of transcription (STAT)3の不活性化により、幹細胞性の指標となるスフェア形成が抑制された; (3) 個々の中間代謝産物量が解糖系から酸化的リン酸化 (tricyclic acid: TCA) 回路へシフトし、ミトコンドリア機能と細胞酸素消費率 (oxygen consumption rate: OCR) が賦活化された。以上の結果より、膵がんの抗がん剤耐性獲得に伴い、GSK3βが浸潤、がん幹細胞形質と解糖系への代謝改変の悪性連関を形成することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って、研究を進める。
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Research Products
(7 results)