2022 Fiscal Year Annual Research Report
学校歯科検診におけるヘルスプロモーションを目指した看護口腔保健プログラムの構築
Project/Area Number |
22H03407
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka Nursing College |
Principal Investigator |
樗木 晶子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (60216497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 まどか 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 講師 (00582214)
米田 雅裕 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10253460)
晴佐久 悟 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (10330961)
宮園 真美 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (10432907)
吉田 大悟 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (10596828)
田口 智章 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 学長 (20197247)
窪田 惠子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20309991)
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (20432924)
澤渡 浩之 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (30757034)
畠山 純子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50374947)
谷口 奈央 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (60372885)
吉永 泰周 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60452869)
青木 久恵 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (70526996)
樗木 浩朗 保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授(移行) (70607093)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学校歯科検診 / 口腔衛生 / 齲歯・歯肉炎 / 多職種共同 / 看護口腔保健プログラム / 生活習慣病予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
1960~80年代の子供たちのう歯多発時代、その早期発見、早期治療を行うために、学校歯科検診では保健管理を重視してきた。しかし、1990年代以降、児童生徒のう歯は減少し、その口腔疾患状況は噛む力の喪失へと様変わりしている。学校における歯科口腔健康診断はヘルスプロモーションを推進し、口腔から健やかに生きる力の育成を目指し、健康教育重視へと推移してきた。口腔の健康を医療、教育機関、地域、家庭及び関連団体との多職種連携によって推進し、生涯にわたる健康な生活習慣を低年齢から構築することは少子超高齢社会において極めて重要である。しかし、学校における歯科検診はかかりつけ歯科医の活用を促すふるいわけ審査に留まっていることが多く、口腔の健康を通して全身の健康を守ることが十分に啓発されているとはいい難い。以下の3つを本研究の目的とする。①学校歯科検診においてヘルスプロモーションへ繋げる口腔保健生活プログラムを看護職が中心となり、多職種で構築・実施し、評価すること。②地域における園児から高校生に至る集団歯科検診データと、口腔保健や生活習慣に関する啓発的調査票結果を効率よくデジタルデータ化し、ヘルスプロモーションに活かすこと。③本取り組みの経年的効果を評価すること。そこで、看護職が、養護教諭、歯科衛生士、歯科医師、医師、教育関係者等との連携を図り、多職種共同チームを構成し、2つの高校で約3000人の歯科検診を行い、その前後で口腔と全身の保健教育や口腔保健生活プログラム(啓発的アンケート調査と歯科検診後の保健指導)を実施した。その効果を検証するため、歯科検診所見や口腔保健・生活習慣病に関連する調査結果のデータベースを作り経時的変化を評価する。今年度は初年度のデータを構築した。幼少期からの口腔保健の確立が、成人や高齢者の生涯にわたるヘルスプロモーションに繋がることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
看護職を中心として、歯科医師、医師、歯科衛生士が共同し、口腔保健や生活習慣に関する啓発的調査票を作成し担当。この調査票は園児から高校生に共用できるように考案した。歯磨きの回数、フッ化物配合歯磨剤やデンタルフロスの使用、かかりつけ歯科医、朝食と食後の歯磨き、間食の回数と種類、食事時の噛む回数、偏食の有無、早起き、運動、口腔衛生に関する質問(冷たい水でしみるか、ものを噛んで痛むか、何分磨くか、歯ブラシの交換期間、歯間ブラシの使用、歯磨き時の出血、歯肉の腫れ、動いている歯の有無、口呼吸の有無、口臭、口を開けた時の音や痛み、歯軋りの有無、口の乾燥、歯並びなど)を問うものとした。さらに、食事の内容や運動、生活リズムなど生活習慣についてより詳しく問うことにより、口腔の健康と全身の健康の繋がりを啓発する内容とし、将来の生活習慣病予防につなげる内容とした。歯科検診前に配付し、低年齢では保護者とともに回答してもらい健診時に回収する。口腔保健生活プログラムの一環として歯科検診後に施行する口腔保健生活習慣病啓発勉強会も発達段階に応じて考案し、検診結果を返却する際に教育機関と相談の上、検診結果のまとめと共に食育、肥満予防などを含んだ啓発勉強会を企画しその準備を始めている。園児-低学年小学生では主に歯磨き指導や生活習慣の啓発を行い、高学年小学生では口腔衛生習慣の確立を目指すとともに全身の健康とのつながりを紹介する予定である。中学、高校生では口腔の健康と全身の健康との関係など、最先端の科学的知見も含んだ講演内容とする。勉強会講師としては研究分担者の歯科医師、医師、歯科衛生士と共同して施行する。 情報基盤チームは、歯科検診項目、啓発的調査票項目からデータベースのデザインを決定し、データ収集方法として効率の良い方法(マークシート、iPad入力など)を考案している。
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Strategy for Future Research Activity |
第1回目の園児~高校生における歯科検診を歯科医師、歯科衛生士チームにより行う。検診前には口腔保健や生活習慣に関する調査票を配付し、検診時に回収し、健診データとともに調査票回答内容のデータベースを構築する。検診結果を各個人にコメントをつけて返却すると共に全体集計を行い、学校の保健関係者、担任、管理者に報告し、啓発講演会や勉強会を看護職が中心となった口腔保健プログラムの一環として開催する。2023年度のプログラム施行後の結果報告と今後の計画についての検討会を年度末に開催する。啓発用の視聴覚教材の開発も検討する。 <2024年度> 2023年度の結果をふまえて第2回目の歯科検診、口腔保健・生活習慣調査を行い、検診結果報告と啓発講演会、勉強会を開催する。2年間分のデータは個人情報を除いて紐付けし、経時的変化がわかるようにデータ構築する。2年間のデータが蓄積され、その中間解析・評価を行い、看護職による口腔保健生活プログラム推進による中間解析検討会を開催する。 <2025年度> 2024年度の結果をふまえて第3回目の歯科検診、口腔保健・生活習慣調査を行い、検診結果報告と啓発講演会、勉強会を開催する。3年間分のデータが蓄積され、経時的変化に関して解析・最終評価を行い、口腔保健生活プログラム推進によるアウトカムの最終評価及び検討会を開催する。口腔衛生の改善、生活習慣病に対する関心の高まりと自身の生活習慣の改善をアウトカムとする。
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Research Products
(15 results)