2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an elder-centered end-of-life dialogue program using ICT tools in the Corona era.
Project/Area Number |
22H03409
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (40323414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 みゆき 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (40375853)
佐藤 奈保 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (10291577)
石川 崇広 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (00749426)
川瀬 貴之 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (90612193)
梅澤 猛 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (50450698)
岡田 将 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50514725)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エンドオブラフケア / 高齢者 / 看護学 / アドバンスケアプランニング / 終生期対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における期間全体の目的は、Withコロナ時代に高齢者と家族らが早期から終生期意向の相互理解を推進するACP展開に向けて、①COVID-19パンデミックによる高齢者の(Advance care planning:以下ACP)に関わる影響、②Withコロナ時代の特性をふまえ、申請者らが開発する終生期対話ICT (Information and Communication Technology)ツールを高齢者や次世代家族らが主体的に活用するためのプログラム構成要素、③開発する終生期対話プログラムの早期展開による期待される効果と課題を明示することである。 本年度は研究2年目として、前年度の計画実施に引き続き、研究目的①COVID-19パンデミック前後の高齢者の終生期対話関連への影響を明らかにするために、研究1)COVID-19パンデミックによる高齢者終生期対話の変容の基盤となるシステマティックレビューに着手した。具体的には、前年度の調査に加え、最新データを加味するため2017年~2023年末迄に公表された論文を改めて精査し直し、COVID-19パンデミックの2020年の前後3年をはさむ期間へと検索期間を再考した。現在は、二次スクリーニングを終えた約800件の三次スクリーニングを実施しており、最終分析成果を示す段階である。本調査の意義および重要性は、日本においても“終生期を意識した対話”(ACP)の実践は各領域で行われるようになってはきたが、社会情勢によって変化する終生期への意識がCOVID-19パンデミックによって人々にもたらされたか、また終生期対話の変容があったかを探索的に見出せる点である。分析結果から、COVID-19パンデミックがもたらし得る高齢者の終生期への生き方の考え、態度、行動をふまえたICTツールのコンテンツへと精練することで、ユーザビリティ向上に連動させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の研究について達成状況を記す。 1.[目的①] COVID-19パンデミック前後の高齢者のACPに関わる影響要因や現状の探索:研究協力者8名とともに1回/1~2月の研究会議を開催し、レビューを実施した。医中誌Web、PubMed、Cochrane等で検索された前年度調査の文献約650件に加え、2023年発刊分および2018年~2022年発刊分の再スクリーニングを行った。その結果、総計約800件となり、日本人著者による日本語文献約500件、英語論文約300件となった。成果を導く三次スクリーニングでは、抽出データの真実性・妥当性を確保するためデータ採用基準を研究者間で討議して厳密に定めた。基準の具体とは、筆頭著者の分野(論文記載の所属、リサーチマップでの検索等) 、対象の疾患(文献レビューの場合 、疾患名が明記されていない場合、対象疾患はCOVID-19感染症を含む非がんだが、併存疾患にがん・非がんがある場合の扱い、想起した事例をデータとして分析した研究の場合等)、対象の療養の場(対象が属する場に関する記載がない場合、文献レビューの場合、高齢の親を持つ子の場合、療養の場の移行に関する研究等 ) 等である。また、文献の該当/非該当を決定する際には、1文献を研究者2名で並行してスクリーニングし、研究者8名が同質でスクリーニングするように努めた。 今後、対象者、対象フィールド特徴、結果が示す領域、課題をカテゴリ化し、COVID-19パンデミック前後の動向を示し、公表計画を立てる。 2.[目的②]高齢者や次世代家族らが主体的に活用するためのプログラム構成要素の探索:申請者らが開発する終生期対話ICTツールのコンテンツ見直しを行った。ユーザーの生き方や価値観を知るために様々な医療場面を想定した医療選択に関するコンテンツを有するが、最新の状況に即した医療場面や療養場所へと改修した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の計画実施に引き続き、研究目的①COVID-19パンデミック前後の高齢者の終生期対話関連への影響を明らかにする研究1)COVID-19パンデミックによる高齢者終生期対話の変容に関わる調査に着手する。エンドオブライフケアに関する国内外の研究論文のシステマティックレビューを完遂し、(1)目的:COVID-19パンデミックが高齢者の終生期への生き方の考え、態度、行動にもたらした変容を探索的に明らかにし、広義ACP展開に新たに必要な視点を検討する。(2)対象者:健常、または、慢性疾患を有するが急性期や集中的な治療期にはない経過観察中の70歳以上の高齢者20名程度を対象として、広義ACP展開の新たな視点の考察を検討する。さらに、最新の情報に更新したICTツールを用いて、研究2)COVID-19パンデミック後の終生期対話ユーザビリティに関わる調査を実施する。(1)目的:研究1)の終生期対話の変容もふまえ、高齢者と周囲の人が対話を主体的に行うために必要なICT ツールや教材のコンテンツ情報、アクセシビリティを明示する。(2)対象者:研究1)と同条件の高齢者および指名する周囲の人を1 組として計50~60 組、有効回答率40%として高齢者/子ども世代の中高年150 名に配布。リクルートは、全国の高齢者・患者団体やクリニック、研究者ネットワークの医療機関、企業を通じて依頼。(3)調査内容:COVID-19 パンデミック前後の終生期の目標・意向に関する相互の対話体験、望む/望まない終生期対話時期や場面・対話手段、ICT ツール活用に対する期待/懸念・利用可能性。利便性、ICT ツールコンテンツや活用する上で必要な情報。(4)調査方法:質問紙調査を郵送法、または、オンラインによる回答を依頼する。
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