2023 Fiscal Year Annual Research Report
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22H03507
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲葉 有香 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (20571970)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 代謝異常関連脂肪肝炎 / 急性肝障害 / 臓器連関 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪肝では、催炎症性細胞死であるネクロプトーシスが生じ、代謝異常関連脂肪肝炎(MASH)の病因となる。ネクロプトーシスはRIPK3を介して誘導される。代表者は、肝細胞脂肪化によりRIPK3発現が増加し、ネクロプトーシスが誘導されることを見出した。肝細胞死は膵肝・脳肝の臓器連関により制御されるが、臓器連関によるネクロプトーシス制御は未解明である。そこで本研究では、臓器連関による肝細胞死、特に、ネクロプトーシスの制御とその破綻の解明を目的とした。具体的には、臓器連関による肝細胞死制御の1)役割と2)機序を解明する。1)では臓器特異的RIPK3欠損マウスを、2)では臓器特異的RIPK3レポーターマウスを用いて解析を進める。 本年度には、肝RIPK3欠損マウスおよび肝RIPK3レポーターマウスの解析を、昨年度に引き続き行った。肝臓はRIPK3の発現が少ないことが知られるが、過栄養による脂肪肝での切除後の肝再生過程とメチオニンコリン欠損食による脂肪肝炎誘導で、RIPK3発現が増加する。臓器特異的RIPK3欠損マウスを用い、臓器連関の障害による肝臓死・肝臓炎症における肝ネクロプトーシスの役割の解明を進めた。また、臓器連関による肝ネクロプトーシス制御について、臓器連関破綻を引き起こす過栄養状態において肝RIPK3レポーターマウスへの肝障害誘導を行い、そのレポータ―活性の変化から、役割の解明を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、臓器連関による肝細胞死、特に、ネクロプトーシスの制御とその破綻の解明を目的として、臓器連関による肝細胞死制御の1)役割と2)機序の解明を、継続して進めている。 1)臓器連関による肝細胞死制御の役割の解明;本項目では、臓器連関の障害による肝臓死・肝臓炎症における肝ネクロプトーシスの役割の解明を進めた。昨年度は脳肝連関障害での役割解明に取り組んだが、本年度は、脳肝連関障害での役割解明に取り組んだ。具体的には、肝RIPK3欠損マウスを用いて、脳肝連関障害による肝細胞死において、ネクロプトーシスが果たす役割の解明を進めた。 2)臓器連関による肝細胞死制御の機序の解明;本項目では、臓器連関による肝ネクロプトーシス制御について、特に肝RIPK3発現誘導に注視し、解明を進めた。本年度は、昨年度に引き続き、マウス肝臓のRIPK3発現を詳細に評価するため、肝RIPK3レポーターマウスの解析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、臓器連関による肝細胞死、特に、ネクロプトーシスの制御とその破綻の解明を目的として、臓器連関による肝細胞死制御の1)役割と2)機序を解明する。 1)臓器連関による肝細胞死制御の役割の解明;本項目では、臓器特異的RIPK3欠損マウスを用い、臓器連関の障害による肝臓死・肝臓炎症における肝ネクロプトーシスの役割を解明する。今後は、脳肝連関が破綻する過栄養状態で誘導される脂肪肝炎誘導における、RIPK3の役割の解明を進める。さらに、RIPK3の役割とネクロプトーシスの役割の違いを明らかにするため、ネクロプトーシス実行因子であるMLKL欠損マウスを作成し、解析を進める。 2)臓器連関による肝細胞死制御の機序の解明;本項目では、臓器連関による肝ネクロプトーシス制御について、特に肝RIPK3発現誘導に注視し、解明を進める。今後は、膵肝または脳肝連関の障害モデルを用い、臓器特異的RIPK3レポーターマウスを用いて、そのレポータ―活性の変化から、マウス肝臓のRIPK3発現の詳細な解析を進める。さらに、RIPK3レポーターマウス由来初代培養肝細胞を用いて、肝障害発症時のRIPK3発現誘導因子の探索を進める。
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