2023 Fiscal Year Annual Research Report
paleoproteomic profiling of ancient plant remains in the pottery food crusts
Project/Area Number |
23H00693
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西内 巧 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (20334790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 誠二 帝京大学, 付置研究所, 教授 (60574142)
高木 宏樹 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (80616467)
足立 拓朗 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 教授 (90276006)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | パレオプロテオミクス / 土器付着物 / RNA-Seq / 種子タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
縄文時代の遺跡を中心に解析を進め、これまでに釈迦堂遺跡、 鋳物師屋遺跡、道尻手遺跡、沖ノ原遺跡における土器付着炭化物等を調達し、植物種子の土器圧痕や年代測定等も含めたデータベースを整備している。土器付着炭化物のプロテオミクスの実験系の確立するため、前述の遺跡から出土した土器付着炭化物について解析し、ダイズ属のやイネ科植物のタンパク質を複数同定している。また、これまで同定されていなかったブナ科植物のタンパク質が検出された試料も含まれていた。現生試料を用いたRNA-Seq解析で構築されたデータベースを用いて、堅果類のスダジイ、トチノキ、コナラ、アベマキ、オニグルミ、また、漿果類のミズキ、ニワトコ、カラスザンショウの現生各試料の果実を用いて、約5000から6000種のタンパク質を同定することに成功している。今後これらを土器付着炭化物プロテオミクスのリファレンスデータとして解析を進める予定である。堅果類の中でもブナ科コナラ属のコナラやアベマキについては、従来法では高品質なタンパク質が調整できなかったが、フェノールを用いた抽出方法に変更することで良好な結果が得られるようになった、土器付着炭化物のタンパク質調整についても今後再検討する必要があると考えている。また、イネの在来品種の果実を用いて、土器を用いた炭化物付着物の形成実験を行い、タンパク質分析の結果、炭化米と共通のタンパク質が検出されたことを明かにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
縄文時代を中心に多数の遺跡の土器付着炭化物等を収集し、年代測定も含めたデータベースの構築を進めており、これらを用いたプロテオーム解析でも植物由来のタンパク質の検出に成功している。また、9種の植物のRNA-Seq解析を実施し、現生試料を用いて多数のタンパク質が検出可能な データベースの整備に成功しているため、おおむね順調に進展いると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年に予定よりも多くの植物種でRNA-Seq解析を実施し、現生試料を用いたタンパク質のデータベースの整備を優先させたため、土器付着炭化物のプロテオーム解析がやや遅れている。今後は、構築したデータベースを活用して、土器付着炭化物のプロテオーム解析を優先して進めて行く予定である。
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