2023 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Future-oriented Curriculum Bridging Information Education System with Web-based Experiential Information Heritage Exhibition
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23H00972
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
菊地 章 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 特定研究員 (20127822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 正裕 独立行政法人国立科学博物館, 産業技術史資料情報センター, センター長 (50209368)
町田 哲 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60380135)
小川 勝 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 特命教授 (60214029)
南雲 秀雄 新潟青陵大学, 福祉心理子ども学部, 教授 (90300087)
阪東 哲也 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50802998)
川島 芳昭 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (70282374)
宮川 洋一 岩手大学, 教育学部, 教授 (70552610)
室伏 春樹 静岡大学, 教育学部, 講師 (30609293)
武村 泰宏 大阪芸術大学短期大学部, その他部局, 教授 (90280065)
長井 映雄 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (40982038)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 情報遺産 / 情報遺産 情報教育体系 / 教科架橋型 / 未来志向 / Web併用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,未来志向を伴ったWeb併用体験型情報遺産展示に関わる研究と他教科での教育内容と関連させた教科架橋型情報教育体系の構築の研究を含んでいる。 Web併用体験型情報遺産展示に関わる研究においては,先史時代の情報遺産の洞窟壁画としてコスケールのレプリカ展示施設での調査を行い,洞窟壁画から得られる情報遺産の内容と博物館としての公開形態について体系的に整理した。また,有史以降の情報遺産については,まずメキシコ・マヤ文明の遺跡を調査し,マヤ文明における20進数の数の扱いやカレンダーにおける数の計算について調査した。また,コンピュータ発達史ならびにメディア発達史を対象として国立科学博物館所蔵資料の整備・調査を進め,国立科学博物館WebPageの内容を改善させて公開した。情報遺産のWeb検索手法の改善については,情報史全体を体系化するとともにJavaScriptを組み込んでヒューマンインタフェースを向上させ,世界の情報遺産博物館の検索システムを構築した。情報そのものの歴史については,古文書調査による人々の情報伝達について考察した。情報遺産ギャラリー構想については,これまでの収集している情報遺産を展示できるように整理し,WebARでの3Dモデル表示や展示物と映像情報を併用した動的WebPageを構成した。 教科架橋型情報教育体系の構築については,先ず高等学校在学時の情報に関わる学習が卒業後にどのように役立つかについて考察し,学校教育における創造性育成が社会に巣立った後に活用できることを立証した。また,美術教育と情報教育の教科架橋について実践し,両者の利点ならびに学習の順序性について考察した。さらに全国の情報教育の実態を調査し,情報活用能力の体系表とプログラミング教育計画の体系表を構築した。加えて,教科架橋型情報教育体系の中で,情報遺産に関わる学習の位置付けについても考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに研究では,情報遺産そのものの調査・分析と情報教育における体系化についての研究を行っている。 情報遺産に関わる研究においては,先史時代の情報遺産調査として,先史岩面画としての洞窟壁画を対象とし,アルタミラ,ニオー,コスケール,ショーヴェ等での展示について,一般公開,公開制限,遠隔地公開(各地巡回を含む)の分類を行い,美術作品としての価値,情報表現としての価値,ディジタル情報としての利便性について考察した。有史以降の情報遺産については,まずマヤ文明での調査として,国立人類学博物館,テオティワカン遺跡,テンプロ・マヨール博物館,カンクン・マヤ博物館を訪問・調査した。また,コンピュータ関連の情報遺産として,電気試験所製ETL Mark シリーズ計算機の情報整理や映像アーカイブスの考察を行った。情報そのものの歴史については,古文書における徳島藩での情報伝達,近世淡路における「芒硝」(硫酸ナトリウム)の生成方法の経験的発見と伝承,近代四国八十八ヶ所霊場等に関わる情報伝達・交流ならびに情報環境について調査・分析した。 情報教育における情報遺産学習の活用については,学校教育で利用できるように博物館をカテゴライズした世界の情報遺産博物館のWebPageを構築して,学校教育での利用の促進を検討した。また情報遺産ギャラリー構想を具体化し,展示物の整理と効果的なWebPage構築について考察した。さらに,小学校音楽でのプログラミング的思考を伴った情報教育,情報活用能力体系表構築とプログラミング教育計画の整理,高等学校での美術と情報の教科架橋教育の実践を行った。 これらの研究は,査読付論文や学会発表として有用な成果を伴っており,研究は予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
Web併用体験型情報遺産展示に関わる研究では,情報遺産ギャラリーを整備して展示物を公開するとともに,先史時代からの壁画等の情報が人間社会においてどのように伝達されてきたかや壁画の中で扱われている動物等の描画形態や数等の視点からの数の概念の変化や人間の情報伝達についても考察する。また,過去の里山文化や霊場文化の中での情報伝達がどのように行われてきたかを考慮して,情報教育で扱う人間コミュニケーションが将来どのように変化するかについても考察する。さらに,人間の生活の中での情報の扱いが情報機器の変化を介してどのように発展してきたかについて考察し,今後の知的情報社会を予想できる能力の育成を伴った情報教育として教育内容を考察する。 教科架橋型情報教育体系の構築に関わる研究では,学習者である自己が学習対象である他者とどのように相互に関係するかについて情報教育の中で考察する。情報教育においては外部から情報を収集し,記憶・理解・判断し,問題発見・解決として新たな創造を行い,改善策を外部へ表出し,その流れが自己に循環する学習として整理される。これにより各教科における学習が教科を関連させてどのような順序で学習するのが適しているかの教科の学習順序性について情報教育の立場から考察する。 具体的には次の内容について研究する。先史時代の洞窟壁画からの情報の伝達の調査と有史時代からの情報機器変遷の調査を踏まえた諸外国の情報遺産についての研究,情報の歴史に関連した人間社会における情報伝達の変化についての研究,世界の情報遺産博物館のWeb情報を関連させたWeb環境による情報遺産情報の発信についての研究,情報遺産収集物の情報遺産ギャラリーとしての情報遺産展示,教科架橋型教科教育実践学を基盤とした情報教育の展開についての研究,小学校から社会教育に至る生涯学習全体の中での情報教育についての研究
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Remarks |
本研究に関連して歴史的コンピュータの解説内容を充実させWebPage情報を改善した。
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