2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel immunotherapy for the cure of ovarian clear cell carcinoma
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23H03050
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松村 謙臣 近畿大学, 医学部, 教授 (20452336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱西 潤三 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80378736)
高村 史記 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (90528564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌に関して、相同組み替え修復異常(HRD)を遺伝子発現プロファイルから予測する方法(Br J Cancer), ベバシズマブ投与の意義(JAMA Netw Open)、細胞株データセットにおけるHRD状態と薬剤感受性の関連(Sci Data)、病理組織のサブタイプ分類(J Gynecol Oncol)、人工知能を用いた腫瘍免疫状態の推定(Am J Pathol)などを報告した。また、総説論文を発表し、卵巣癌の最適な治療法について論じた(Expert Opin Pharmacother)。現在、人工知能を用いて卵巣癌の病理組織サブタイプ分類を行うプログラムを開発して、論文を投稿中である。 また、マルチオミックス解析によって、卵巣高異型度類内膜癌の分子学的プロファイルを明らかにし、論文投稿を準備している。 現在進めつつある研究では、ヒト卵巣明細胞癌のRNAシークエンシング解析によって、IL-17発現が腫瘍免疫と関連することを明らかにした。そして、マウスの卵巣においてCre/loxPシステムによってArid1aとPik3ca変異を生じさせて作成するマウス卵巣明細胞癌モデルを樹立したうえで、同マウスモデルにおいて、IL-17の投与が腫瘍免疫を活性化する可能性を示した。 このマウス卵巣明細胞癌からは細胞株を樹立し、今後の実験に使えるようにした。 さらに、ヒト卵巣明細胞癌ではIL-6が高発現していることが知られている。上記のマウスモデルでも、腫瘍におけるIL-6の高発現を確認した。現在、IL-6抗体投与による腫瘍免疫の変化について、検討中である。 また、卵巣明細胞癌は子宮内膜が経卵管的に卵巣に逆流し、卵巣に着床することで発生するとされている。そこで、マウスの子宮内膜にもCreを注入することで発癌させたうえで、その細胞株も樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣癌のゲノム解析に関して多くの論文発表をすることができた。また、マウス卵巣癌モデルを用いた腫瘍免疫に関する実験は順調に行われており、データが出つつある。そして、細胞株も樹立できて、今後の実験環境が整った。以上、本研究の初年度として、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、マウス卵巣癌モデルを用いて、腫瘍免疫を中心に実験を行う。また、卵巣癌のゲノム解析に関して、現在投稿中の論文や、近日中に投稿予定の論文があり、それらを仕上げていく。
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Research Products
(16 results)