2023 Fiscal Year Research-status Report
High-Performance Organic Field-Effect Transistor Memories for Artificial Synapses and Photodetectors
Project/Area Number |
23KF0223
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
道信 剛志 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (80421410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE WANER 東京工業大学, 物質理工学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Keywords | トランジスタメモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
有機トランジスタメモリのエレクトレット層として用いられるポリスチレンやポリメタクリル酸メチルは有機溶媒に可溶であるため、多層化することが難しい。本研究では、ドナーポリマーとアクセプターポリマーを熱架橋させてエレクトレット層とすることに成功した。これにより、有機半導体高分子をスピンコートして多層膜を作製することができた。有機半導体層として、移動度が高く汎用性がある高分子を選択し、正孔輸送型高分子としてはPBTTT-C14を、電子輸送型高分子としてはN2200を使用した。いずれの場合もきれいに製膜でき、トランジスタメモリの機能を示すことが分かった。すなわち、p型とn型両方に使用できるエレクトレット層を構築することができた。また、有機半導体層にテトラアルキルアンモニウム塩のようなイオン性添加剤を加えることで、フローティングゲート型トランジスタメモリの作製にも成功した。テトラメチルアンモニウム塩の場合は有機半導体高分子との相溶性が低いという問題があったが、テトラブチルアンモニウム塩に代えると有機半導体高分子中に均一に分散させることができた。テトラアルキルアンモニウム塩の添加前後での物性の違いを調査したところ、吸収スペクトルの変化は明確に見られなかったため電子移動をともなうドーピングは起きていないと考えられた。一方で、原子間力顕微鏡測定から添加剤量をパラメータとした薄膜モルフォロジーの変化は見られたため、分子間のパッキングや配向に影響を与えていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とするトランジスタメモリの作製と動作確認に成功しており、予定通り性能評価と表面測定の実験に着手しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
紫外可視近赤外吸収スペクトルや電子スピン共鳴、原子間力顕微鏡観察やX線回折測定などを実施し、多層膜デバイス中で起きている電子の動きやモルフォロジーを解明する。また、基板をフレキシブルな素材に代えることでフレキシブルなトランジスタメモリを作製し、評価する。
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Causes of Carryover |
物性評価を中心とした予備実験からスタートしたため、次年度使用額が生じた。今年度の計画と組合わせて支出する予定である。
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Research Products
(4 results)