2023 Fiscal Year Research-status Report
Re-establishing the Rule-Based Polar Cooperation: International Collaborative Research on International Polar Law
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23KK0019
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴田 明穂 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00273954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
來田 真依子 大阪経済法科大学, 国際学部, 助教 (50899234)
稲垣 治 神戸大学, 国際協力研究科, 部局研究員 (90772731)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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Keywords | 国際法 / 南極 / 北極 / 極域国際法 / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北極域と南極域に関する国際法研究を、国際共同研究を通して統合し、新たな学問分野としての「極域国際法」の存立基盤を確立することを目的とする。また、国際情勢が流動化する中で多くの挑戦を受けている極域国際協力を再構築するための新たな極域国際法研究を推進するため、フィンランド・ラップランド大学とオーストラリア・タスマニア大学等と共同して、両極域を統合するグローバル学術ネットワークを構築する。
本研究の初年度では、交付決定が10月であったことから、日本国内において研究代表者と分担者が企画するワークショップ及び打ち合わせ会をハイブリッド方式で開催し、新たな学問分野たる極域国際法の存立基盤と機能強化に関する実体的な研究と、それを進める手段としての国際的研究活動の具体化について、海外連携研究機関の研究者も交えて協議を行った。フィンランド・ラップランド大学とは、2024年9月に現地で開催する北極政策関連の国際ワークショップについて具体的な調整が進んだ。オーストラリア・タスマニア大学とは、2024年8月にチリで開催される大型南極国際会議の場を利用して、共同研究報告を行うこと、また、同大学のJeffery McGee准教授を2024年度内に日本に招へいし、国際共同研究を更に推進する具体的な調整が進んだ。
関連する研究成果としては、研究分担者・稲垣治が、一般雑誌『極地』に掲載された「特集:ロシアによるウクライナ侵攻と極域国際協力のゆくえ」(『極地』第59巻第2号)のゲスト編者を務めた。また、2024年3月には、南極ジオエンジアリングに関する国際セミナーを開催し、そこで研究代表者の柴田が「Legal issues potentially raised during the early phases of Antarctic glacial geoengineering」と題して研究報告を行い、Jeffery McGee准教授との共同研究の素地を作った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付決定後にまず国内で海外連携研究機関の研究者もオンラインで参加できるワークショップ及び打ち合わせ会を開催し、2024年度に向けた具体的な連携研究の方向性を打ち出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、9月に海外連携研究機関であるフィンランド・ラップランド大学北極センターにおいて、本課題の若手研究分担者2名が現地に出向いて、日本の北極政策に関する国際ワークショップを企画・主催し、北極国際法の動向を中心に極域国際法の基盤形成に向けた政策的課題を論じ、その内容を政策文書として公表する計画である。また、同じく9月にスウェーデン・ミッド・スウェーデン大学で開催される第17回極域法国際シンポジウムの場を活用して、本研究代表者、分担者、そして海外連携研究機関の研究者が集まり、本研究チームが中核的な役割を担う新たな国際学会「極域国際法学会(仮称)」設立に向けた協議等を行う。南極国際法については、8月にチリで開催されるSCAR Open Science Conferenceの場を活用し、オーストラリア・タスマニア大学のJeffery McGee准教授と、南極ジオエンジニアリングに関する共同研究報告を行いつつ、今後の連携強強化についても協議する。
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Causes of Carryover |
予定どおりの執行であるが、ワークショップ開催経費が当初見積より若干安くなったため。
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