2016 Fiscal Year Annual Research Report
政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究
Project/Area Number |
24000002
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 良彰 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (40153655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 浩 慶應義塾大学, 学習院大学法学部, 教授 (90222249)
谷口 将紀 東京大学大学院, 法学政治研究科, 教授 (60251435)
山田 真裕 関西学院大学, 法学部, 教授 (40260468)
名取 良太 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60330172)
飯田 健 同志社大学, 法学部, 准教授 (50468873)
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Project Period (FY) |
2013 – 2016
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Keywords | 政治学 / 選挙研究 / データベース / 代議制民主主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研では、5年間で8回行う申請時の予定を超えて、18回(全国調査14回、自治体調査3回、国際比較調査1回)にわたって実施し、研究期間中に行われた3回の国政選挙もすべてカバーし、下記の知見を得た。①投票行動研究から民主主義研究への進化。本研究では分析の視野を代議制民主主義の機能に拡大し、意識調査データだけでなく、選挙公約データや議会議事録データを結合して分析を行うことで、従来の選挙研究を代議制民主主義研究に進化させることに寄与した。その結果、代議制民主主義の「民意負託機能」、「代議的機能」、「事後評価機能」がいずれも十分に満たされているとは言い難いことが明らかになった。②日米韓における代議制民主主義の分析を通した比較政治学。代議制民主主義の機能に関して、日本の分析を米国と韓国について行ったところ、両国でも同様の問題を指摘することができるとともに、それぞれに異なる特徴をみることができた。③日本の地方自治体レベルにおける代議制民主主義の分析。研究対象を申請時の国政レベルだけでなく自治体レベルにも拡大した結果、都府県議会議員は、与党的立場にあれば議員自身の選挙公約と一致していなくても首長条例を支持し、野党的立場にあれば選挙公約と同じ方向の条例であっても首長発議条例に反対することになるため、どちらの立場でも選挙公約と乖離した行動をとることが明らかになった。④政治意識の形成と変容の解明。本研究を通して、(1)有権者のリスク回避・受容が投票行動と密接に関連することを明らかにした。(2)内閣に対する業績評価が一致投票をするか分割投票をするかの選択に有意な影響を及ぼしていることを明らかにした。(3)また、ネット選挙運動への接触は、争点態度や投票先の変更には有意な影響を与えていないことを明らかした。⑤マルチメソッド比較による新しい調査方法の確立。本研究では面接調査、郵送調査、インターネット調査の3手法による調査結果の差異とその原因を分析することで、インターネット調査における社会属性の偏りを排除するために、地域、都市規模、年代、性別による厳格な多重クォータをかけて行うことで、面接調査と有意な差異が生じないデータを収集できることが明らかになった。⑥政治関連データベースの構築。本研究では、これまで実施してきた意識調査ならびに研究で作成した選挙公約データ、国会議事録データ、市区町村別選挙結果データなどをXML化してインストールした上で、七カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語、ロシア語、インドネシア語、マレー語)で検索できるシステムにより国内外の研究者に利用できるよう便宜を図り、特に海外の大学院生の博士号取得に貢献した。このことを通して、海外の研究機関から申し入れを受け、共同研究や国際ネットワークを構築した。
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Research Products
(101 results)