2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24223002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 彰彦 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30272165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 智 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50285079)
上 昌広 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50422423)
長瀬 修 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (60345139)
児玉 有子 東京大学, 医科学研究所, 研究員 (70336121)
萱場 豊 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任講師 (00708612)
中室 牧子 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (20598403)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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Keywords | ゲーム理論 / 社会的障害 / 児童養護 / 被災地医療・教育 / 長期疾病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の遂行にあたり、今年度の交付申請書に記載した連携研究者、研究協力者、学術支援専門職員、特任研究員に加え、26年8月より中室牧子(貧困家庭の子供に対する教育機会提供の効果に関する調査・分析)を研究分担者として研究組織に加えた。 障害班では、長瀬、川島は国連の障害者権利条約の分析を行った。川島・松井は障害者雇用率を分析した。加納・松井は障害者就労の研究に取り組み、星加は障害の社会モデルを発展させた。田中(恵)は身体障害者、河村は発達障害の研究を行った。臼井・瀬山は障害女性の経済状況および障害者欠格条項の研究を行った。金子および長江は障害者制度の経済的側面の研究を行った。森は開発途上国における障害の問題に、久野は障害者平等研修の研究に、熊谷は当事者研究に取り組んだ。最大の共同作業は追跡調査であり、調査票を作成し配布・回収を行った。 長期疾病班では、上・児玉は長期疾病の医療経済問題、吉野と大野は難病問題、栗原は障害のある医療者の研究に取り組んだ。児童養護班では、田中(知)、萱場はe-learningの教育効果に関する計量分析を行った。被災地班では、上は被災地の医療経済問題に取り組み、松井および前川は教育問題に関するフィールド実験を行った。 理論・実験チームは、動学ゲーム、帰納論的ゲーム理論、サーチ理論、行動経済学を総合的に研究・発展させ、ミクロ経済学に係る著名な研究者を招聘し、サマーコンファレンスを行った。尾山、川越、田中(知)、松井、Choは経済学最先端の研究を続けた。制度・事例チームは、各班において制度の現状と課題、および事例について調査・研究し、その結果を研究会で共有している。福島は盲ろう等重複障害者の実態をコミュニケーションの観点から、西倉は顔にあざ等のある人が直面する社会的障害を研究し、山下は社会的障害の歴史研究に取り組んだ。これらの成果は様々な形で社会への発信を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
障害班は、国連の障害者権利条約の分析、障害者雇用率の分析、障害者就労の研究、障害の社会モデルの研究、身体障害者・発達障害の研究、障害女性の経済状況および障害者欠格条項の研究、障害者制度の経済的側面の研究、開発途上国における障害の問題の研究、障害者平等研修の研究、および当事者研究に取り組み、最大の共同作業である追跡調査の調査票を作成し、配布・回収を行った。 長期疾病班は、長期疾病の医療経済問題、難病問題、障害のある医療者の研究に取り組んだ。児童養護班は、e-learningの教育効果に関する計量分析および貧困家庭の子供に対する教育機会提供の効果に関する調査・分析を行った。被災地班は、被災地の医療経済問題に取り組み、また教育問題に関するフィールド実験を行った。 理論・実験チームは、経済学最先端の研究を続け、動学ゲーム、帰納論的ゲーム理論、サーチ理論、行動経済学を総合的に研究・発展させ、2015年8月にはミクロ経済学に係る著名な研究者を招聘し、サマーコンファレンスを行った。 制度・事例チームは、各班において制度の現状と課題、および事例について調査・研究し、その結果を研究会で共有した。また盲ろう等重複障害者の実態のコミュニケーションの観点からの研究、顔にあざ等のある人が直面する社会的障害の研究、社会的障害の歴史研究等に取り組み、成果を様々な形で社会へ発信した。 上記のとおり研究実施計画とほぼ同様の内容を達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築した研究組織に従い、研究を推進する。 被災地班は、引き続き、上昌広の長屋プロジェクトを通じた高齢障害者のQOLの増進及び松井彰彦と前川直哉のメンタープロジェクトを通じた被災地高校生の学力向上を図り、学問の実践と定性的・定量的な結果の測定を行っていく。 障害班の最大の計画は昨年度実施した追跡調査の分析と報告書の作成である。このため長江・参鍋を雇用し、その任に当たらせる。福島智は盲ろう等重複障害者の実態のコミュニケーションの観点からの研究、長瀬修と川島聡は障害者権利条約の国内法や制度との関連の研究、熊谷晋一郎は当事者研究、臼井久実子と瀬山紀子は障害者欠格条項の研究、西倉実季は顔にあざがある人が直面する社会的障害の研究、山下麻衣が社会的障害の歴史研究、久野研二が障害者平等研修に係る研究をそれぞれ行う。 長期疾病班は予定の研究目的はほぼ達成しているが、児玉有子、大野更紗、栗原房江、吉野ゆりえが引き続き研究を深化発展させていく。 児童班は引き続き萱場豊がビッグデータを用いた研究を深化発展させ、また中室牧子は引き続き、東日本大震災の被災地で貧困世帯の中・高生に学校外教育クーポンを提供している「チャンス・フォー・チルドレン」と協働し、学校外クーポンが認知・非認知能力、加えて学校外教育の選択や進路選択にどのような影響を与えるかのランダム化比較試験の設計による調査・分析を行う。 理論チームは、松井及びIn-Koo Choによりサーチ理論の理論的な構築で3篇の論文が完成し、4篇目の研究を引き続き行う。制度・事例チームは各班において制度の現状と課題、及び事例について調査・研究を引き続き行い、その結果を研究会で共有していく。
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Research Products
(129 results)