2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24242007
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
沖松 健次郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (30332133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 信二 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 広報室長 (00443622)
小林 達朗 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画・情報部, 研究員 (10342940)
土屋 貴裕 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (40509163)
瀬谷 愛 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (50555133)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 聖徳太子 / 絵伝 / 説話画 / 図様 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の古代中世における大画面説話画の中でも、主題として比較的早い時期から成立し、各時代を通して多く描かれた聖徳太子絵伝の図様展開に関する研究である。40件弱の現存作例について網羅的に詳細な肉眼観察とデジタル撮影を実施し、社会的・文化的・宗教的動向、及び他の説話画や仏教絵画の制作状況などを踏まえた上で、事蹟場面の選択やそれらを表現する上での図様・表現技法の選択がどのようになされていたのかといった制作にかかわる具体相を探ろうとするものである。 平成24年度から継続して行っている3年度目の平成26年度は、特別展「栄西と建仁寺」出品作品のうち中世仏画として関連する作品について調査を行い(2014年4月)、東博内で川合玉堂氏旧蔵の太子絵伝3幅について調査を行った(2014年10月上旬)。また中近世仏画の作例調査として、能登半島の結集寺院である岩倉寺や天王寺で奥能登地域の未調査の中近世仏画の調査を行った(2014年10月24日・25日)。「日本国宝展」に出品の作品についてハンディデジタルマイクロスコープで絹目の拡大写真を撮影した。 (2014年12月10日) 能登地域での寺院における調査では、一定空間に点在しながら行事をとおしてつながりのある寺院間での主題や図像の共通性などの傾向の一端が確認できた。収蔵品の3幅本太子絵伝の調査では、本図のみ見られる図様の詳細について確認でき、分かりやすい場面解説パネルや作品解説の作成をすることができた。また、絹目の拡大写真を集めることで、時代や制作環境の判断材料となる基礎情報の蓄積をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連作品の調査は進んでいるが、中心となるべき聖徳太子絵伝の作例の調査が数が少なく、当初計画よりも遅れ気味のため。
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Strategy for Future Research Activity |
聖徳太子伝の調査計画が遅れている原因は、所蔵先との日程調整の折り合いがつかなかったことが主な原因である。かなり余裕をもった日程調整を組むことで、残りの作例の調査を消化し、網羅的なデータ収集を進める。
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Research Products
(1 results)