2012 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析と歴史・地理情報の高度活用に基づく荘園絵図の総合的研究
Project/Area Number |
24242020
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 裕嗣 神戸大学, その他の研究科, 教授 (10181364)
高橋 慎一朗 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10242158)
金子 拓 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10302655)
飯沼 賢司 別府大学, 文学部, 教授 (20176051)
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
鴨川 達夫 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60214566)
高橋 敏子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80151520)
井上 聡 東京大学, 史料編纂所, 助教 (20302656)
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40313192)
西田 友広 東京大学, 史料編纂所, 助教 (90376640)
|
Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2016-03-31
|
Keywords | 荘園絵図 / 歴史地理 / 史料学 |
Research Abstract |
A 中世荘園絵図原本の調査・観察 画像解析ソフトの技術革新に対応し、より高度の解析結果の得られる撮影環境を整備した。また下記の機関に赴き、研究対象の絵図の調査を実施した。 鎌倉国宝館(円覚寺領尾張国富田庄絵図」「明月院古図」、京都府立総合資料館(摂津国垂水庄指図)、醍醐寺(笠取庄絵図)、西大寺(西大寺秋篠寺相論絵図)、護国寺(淡路賀集八幡宮絵図)、佐賀親種寺(親種寺絵図) B 荘園絵図に関する現地調査の重点的実践 淡路賀集八幡宮及び佐賀親種寺に赴き、絵図に描かれた地域の実地調査を実施した。 C デジタル情報による関連情報の発信 本研究に先行する科研で開発した「地理情報蓄積システム」と史料編纂所歴史情報処理システムを有機的に連携させることで、データベースの検索結果に地理情報を反映させることを目指した取り組みを進めた。具体的にはシステムとデータベース間でシームレスに応答するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を開発した。 D 蒐集された各種情報の組織的維持・保持 荘園絵図研究のために蓄積してきた大型フィルム撮影データやガラス乾板撮影データを抽出し、画像サーバー上で共有管理を進めるとともに、高度利用するために生成した圧縮ファイルなどについて閲覧性を高める取り組みを行った。また荘園現地調査によって獲得したデジタルデータの管理方法については、属性ごとの分類と管理方法について検討を進め、その成果は、「『荘園調査』の現在地」をテーマとする民衆史研究会大会にて分担研究者の井上が報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)中世荘園絵図原本の調査・観察、(B)荘園絵図に関する現地調査の重点的実践については、史料の所蔵先および絵図に描かれた現地に赴き、研究を実施することができた。(D)蒐集された各種情報の組織的維持・保存調査については、 本研究を開始するにあたって必要な撮影環境を整備することができた。(C)デジタル情報による関連情報の発信について、地理情報システムの構築に課題が残り、一部経費を繰越、次年度に実施することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
(A)中世荘園絵図原本の調査・観察、(B)代表的荘園絵図に関する現地調査については、年度始めに調査計画を立て、着実に実施する。(C)デジタル情報による関連情報の発信について、平成24年度に残された課題を完了させ、東京大学史料編纂所歴史情報処理システムとの連携を密接に進める。(D)蒐集された各種情報の組織的維持・保存は本年度の成果に基づいて、新たなサーバを導入し、蒐集した情報の系統的な格納を実践する。
|