2014 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析と歴史・地理情報の高度活用に基づく荘園絵図の総合的研究
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24242020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 裕嗣 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10181364)
高橋 慎一朗 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10242158)
金子 拓 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10302655)
飯沼 賢司 別府大学, 文学部, 教授 (20176051)
井上 聡 東京大学, 史料編纂所, 助教 (20302656)
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40313192)
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
鴨川 達夫 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60214566)
高橋 敏子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80151520)
西田 友広 東京大学, 史料編纂所, 助教 (90376640)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2016-03-31
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Keywords | 荘園絵図 / 歴史地理 / 史料学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(A)中世荘園絵図原本の調査・観察については、新潟県居多神社所蔵「居多神社四至絵図」、京都国立博物館寄託天龍寺所蔵「嵯峨舎那院領絵図」「嵯峨亀山殿近辺屋敷地指図」「臨川寺領大井郷界畔絵図」「山城国諸寺応永鈞命絵図」、同館寄託高山寺所蔵「神護寺領高雄山絵図」「主殿寮領小野山与神護寺領堺相論指図」「高山寺絵図」、同館寄託松尾大社所蔵「松尾社境内図」、和歌山県施無畏寺所蔵「施無畏寺境内絵図」の調査を行った。 (B)荘園絵図に関する現地調査の重点的実践について、兵庫県内において「淡路国賀集八幡宮境内絵図」関係史料の、鳥取県内において「伯耆国東郷荘下地中分絵図」の現地および関係史料の調査を行った。 (C)デジタル情報による関連情報の発信については、「史料編纂所所蔵荘園絵図模本データベース」が収載するコンテンツに、デジタル地理情報を付与したのち、「地理情報蓄積システム」にすべて登録した。さらにAPIを開発して両者を接続して応答が可能となるよう設定した。これによって同DBの検索結果は、前年度作成した地図表示用インターフェイスを介して地理院地図上にマッピングすることを実現した。 (D)蒐集された各種情報の組織的維持・保存調査については、荘園絵図の史料調査情報、現地踏査情報など多様なデータ群をサーバー上に格納し、汎用的な活用にむけて調整を行った。調整にあたっては、史料編纂所で現在開発に着手している史料原本管理情報システムへの統合が可能となるよう留意した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)中世荘園絵図原本の調査・観察、(B)荘園絵図に関する現地調査の重点的実践については、2015年度に成果公開予定の『日本荘園絵図聚影中世編1』と関わる畿内地域の荘園絵図調査を優先したため、調査対象となる絵図・地域が年度当初予定からは変更となったが、それに代わる調査を実施できた。(C)デジタル情報による関連情報の発信については、計画どおり、APIを開発して史料編纂所所蔵荘園絵図模本データベースと地理情報蓄積システムが応答可能となるよう設定し、同データベースの検索結果を地理院地図上にマッピングすることを実現できた。(D)蒐集された各種情報の組織的維持・保存調査についても、計画どおり史料調査情報、現地踏査情報をサーバ上に格納し、汎用的な活用にむけて調整を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
(A)中世荘園絵図原本の調査・観察、(B)荘園絵図に関する現地調査の重点的実践の調査結果は『日本荘園絵図聚影中世編1』の刊行によって公開するとともに、続巻の原稿作成に反映させる。(C)デジタル情報による関連情報の発信、(D)蒐集された各種情報の組織的維持・保存調査については、史料編纂所の他のデータベースとの連携を深め、将来的にはデータベース群全体に普遍化させることを目指す。
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