2012 Fiscal Year Annual Research Report
北リアスにおけるQOLを重視した災害復興政策研究-社会・経済・法的アプローチ
Project/Area Number |
24243056
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
李 永俊 弘前大学, 人文学部, 教授 (10361007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷田 文彦 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00292136)
日比野 愛子 弘前大学, 人文学部, 講師 (00511685)
金目 哲郎 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00610156)
細矢 浩志 弘前大学, 人文学部, 教授 (10229198)
山口 恵子 弘前大学, 人文学部, 准教授 (40344585)
飯 考行 弘前大学, 人文学部, 准教授 (40367016)
吉村 顕真 弘前大学, 人文学部, 講師 (50610185)
永田 素彦 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60271706)
渥美 公秀 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80260644)
河村 信治 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (80331958)
成田 史子 弘前大学, 人文学部, 講師 (90634717)
市古 太郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10318355)
関 嘉寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30314347)
石黒 格 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (90333707)
杉浦 裕晃 愛知大学, 経済学部, 准教授 (60345858)
|
Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2015-03-31
|
Keywords | 社会学 / 地域社会 / 災害 / 復興 / QOL |
Research Abstract |
本研究は、東日本大震災の発生直後から、津波で壊滅的被害を受けた北リアス地域の被災住民支援活動に関与し、現地でボランティアとして協働してきた社会科学系研究者が、支援・交流の経験と専門分野の知見を活かした震災復興策を、地域住民とともに構想することを目的としている。北リアス地域を対象に、被災者との交流を通じて得られた知見をもとに、研究代表者の専門である労働経済学と、研究分担者の専攻する社会心理学、社会学、経済学、法学の知見を活用して、震災の翌年から集中的に調査を実施し、地域のQOL(生活の質)を重視した復興政策を提案することを目指している。 平成24年度には、北リアス地域の震災以前の暮らし、現在の状況、将来への思いを描き出し、各時期の個人的な事情と地域社会の背景を明らかにするために、野田村仮設住宅入居者へのヒアリング調査を実施した。調査結果は『聴き書き 野田村の震災の記録』でまとめ、報告書として発刊し、地域住民へ還元した。 また、災害による経済的な面での被害状況、復興に関する現状認識、コミュニティ再建のための人間関係の決定要因、労働移動に関する傾向などを把握するために、「野田村のみなさんの暮らしとお仕事に関するアンケート調査」を実施した。役場の協力を得て、18歳から69歳までの全住民に対象に調査を実施し、対象者の40.0%の方から回答をいただいた。調査結果の分析は、平成25年度の前半に実施する予定である。 その他、復興政策を検討するための基礎資料となる北リアス地域の地方自治体に対するヒアリング調査や関連資料・文献研究を進めている。また、国際シンポジウムを開催し、災害復興先行地域の事例を通して、地域復興政策に関する多角的な検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画した、地方自治体へのヒアリング調査、野田村住民に対するヒアリング調査、そして『野田村のみなさまの暮らしとお仕事に関するアンケート調査』の全てを順調に実施している。また、住民へのヒアリング調査については、ヒアリング結果をまとめ、報告書の発刊を行った。その他、国際シンポジウムの実施、著書(4)、論文(5)、学会発表(国内7、国外10)を実施した。 また、本研究は研究活動と支援活動を同時に実施していることに大きな意義がある。支援活動の実績としては、平成24年4月から平成25年3月まで、14回活動に教職員、学生、市民合わせて延べ370名が支援・交流活動に参加した。その他、仮設集会場での誕生会、野田村勉強会、書道教室などなどさまざまなサロンの運営も実施している。 以上の点から平成24年度研究計画はおおむね順調に進展していると評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しているので、引き続き当初の計画通りに研究を進めていく予定である。平成25年度には、昨年度実施した野田村住民を対象に行ったヒアリング調査をより広く実施し、当初計画していた3巻本の1冊目を出版する予定である。また、3巻本の2巻目となる野田村の地域資源を発掘し、まとめた『野田本』については、書籍の内容を決定し、書籍化に向けて執筆作業を行う。3巻目の研究成果を取りまとめた本については、現在の研究業績をバージョンアップして、平成26年度に取りまとめる予定である。 研究計画の大きな変更は特にない。
|