2013 Fiscal Year Annual Research Report
北リアスにおけるQOLを重視した災害復興政策研究-社会・経済・法的アプローチ
Project/Area Number |
24243056
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
李 永俊 弘前大学, 人文学部, 教授 (10361007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 愛子 弘前大学, 人文学部, 講師 (00511685)
山口 恵子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40344585)
飯 考行 弘前大学, 人文学部, 准教授 (40367016)
渥美 公秀 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80260644)
永田 素彦 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60271706)
河村 信治 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (80331958)
飯島 裕胤 弘前大学, 人文学部, 教授 (70303039)
小谷田 文彦 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00292136)
細矢 浩志 弘前大学, 人文学部, 教授 (10229198)
吉村 顕真 弘前大学, 人文学部, 准教授 (50610185)
金目 哲郎 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00610156)
関 嘉寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30314347)
市古 太郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10318355)
石黒 格 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (90333707)
杉浦 裕晃 愛知大学, 経済学部, 教授 (60345858)
成田 史子 弘前大学, 人文学部, 講師 (90634717)
平井 太郎 弘前大学, 大学院地域社会研究科, 准教授 (70573559)
定池 祐季 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40587424)
野澤 康 工学院大学, 建築学部, 教授 (00251348)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / 地域社会 / 災害 / 復興 / QOL |
Research Abstract |
本研究は、東日本大震災の発生直後から、津波で壊滅的被害を受けた北リアス地域の被災住民支援活動に関与し、現地でボランティアとして協働してきた社会科学系研究者が、支援・交流の経験と専門分野の知見を活かした震災復興策を、地域住民とともに構想することを目的としている。北リアス地域を対象に、被災者との交流を通じて得られた知見をもとに、研究代表者の専門である労働経済学と、研究分担者の専攻する社会心理学、社会学、経済学、法学の知見を活用して、震災の翌年から本格的に調査を実施し、地域のQOL(生活の質)を重視した復興政策を提案することを目指している。 平成25年度には、北リアス地域住民の震災の記憶を後世に残すために実施してきた野田村の住民へのヒアリング調査の成果をまとめ、『東日本大震災からの復興(1)想いを支えに―聴き書き、岩手県九戸郡野田村の震災の記録』(弘前大学出版会)を出版し、地域住民に還元した。 また、平成24年度に実施した「野田村のみなさんの暮らしとお仕事に関するアンケート調査」の調査結果を分析し、調査報告書を刊行した。また、地域住民に調査結果を分かりやすく伝えるために、ダイジェスト版を刊行し、地域住民と調査結果を共有した。 その他、災害復興先行地域の知見を共有するために、国際シンポジウムを開催し、地域復興政策に関する多角的な検討を行った。そして、復興政策を検討するための基礎資料となる北リアス地域の地方自治体に対するヒアリング調査や関連資料・文献研究を進めている。 そして、支援活動としては、平成25年度も市民と学生が協働で、全16回で述べ350名弱が活動に参加し、学習支援や茶話会、文化教室などさまざまな支援・交流活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画した、住民アンケート調査の報告書とダイジェスト版の刊行、そして野田村3巻本の第1巻となる『東日本大震災からの復興(1)想いを支えに―聴き書き、岩手県九戸郡野田村の震災の記録』を無事に出版するができた。その他、研究会の実施(4回)、国際シンポジウム開催、著書(8)、論文(8)、学会発表(国内6、国外6)を行った。 また、本研究は研究活動と並行して被災地域の支援・交流活動を実施していることに大きな意義がある。支援・交流活動の実績としては、平成25年4月から平成26年3月まで、16回の活動に教職員、学生、市民合わせて述べ400名弱が活動に参加した。その他、仮設集会場での誕生日会、野田村勉強会、書道教室などなどさまざまなサロンの運営も実施している。 以上の点から平成25年度研究計画はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しているので、引き続き当初の計画通りに研究を進めていく予定である。平成26年度には、当初計画していた野田村3巻本の第2巻目となる野田村の資源を外部の目線で再評価し、その良さと可能性をまとめた『野田本』を出版する計画である。また、3年間で行ってきた関連研究をまとめ、第3巻目も出版する計画である。そして、今までの研究成果を地域に還元するために、北リアス地域の自治体関係者や地域住民と情報を共有する場として、地域づくりセミナーなどを開催する予定である。 研究計画に大きな変更は特にない。
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