2012 Fiscal Year Annual Research Report
行動意思決定研究を基礎とした多元的価値下での処方的社会心理学の構築
Project/Area Number |
24243061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
藤井 聡 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80252469)
高橋 英彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60415429)
唐沢 かおり 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50249348)
若山 大樹 駒澤大学, 経営学部, 准教授 (40363741)
林 幹也 明星大学, 人文学部, 准教授 (80435081)
羽鳥 剛史 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30422992)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2017-03-31
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Keywords | 行動意思決定論 / 価値 / 面接法 / 社会調査法 / 社会的判断 / 意思決定 / 数理心理学 / 計量心理学 |
Research Abstract |
本研究は、多元的な価値(異なる価値観)が共存する社会においての社会的意思決定についての行動意思決定論に基づく理論分析をもとに、社会的意思決定の問題を多角的に検討することを目標としている。具体的には、1)「多元社会における社会的意思決定の処方」ということについて数理的解析、計算機シミュレーション研究などによる理論的分析を通じて、現実社会における問題解決を考える社会心理学の処方的アプローチの構築を図り、2)神経科学的手法、実験心理学的手法、観察法、調査法を用いた、社会的意思決定過程を分析する新たな社会心理学的方法論の検討を行い、3)社会の経済的不平等、土木行政、消費者政策、社会における偏見と差別いった諸問題に関する事例研究と処方のあり方を提示することを目標にしている。 本年度は、処方的社会心理学の方法論を構築するための、公理的意思決定論をもとにした社会的意思決定の数理的解析、さらに、社会的意思決定のための予備的な調査と実験を行った。まず、人々がどのような社会的意思決定を良いと考えているのかについての面接調査を行い、さらに、社会的意思決定手法や意思決定内容についての面接、望ましい社会的意思決定の連想についての分析、人々が考える望ましい社会的意思決定の心理的次元には何があるのかの分析を行った。面接調査は一般成人を対象にしており、新しく開発した個人別のグラフィック手法を用いて、個人ごとの望ましい社会の構成次元や、望ましい社会的意思決定の次元についての面接調査を行い、結果の定性解析と、計量分析を行い、「よい社会」と「良い意思決定」の構成次元を抽出した。また、これらのデータ解析の知見を参考にして、望ましい社会的意思決定のあり方についての考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択決定した2012年11月より面接調査の具体的計画を開始して2月には面接調査を行ったが、調査対象地域との交渉に時間がかかり、面接調査は一部しか年度内にできなかった。しかし、面接調査研究手法の開発やその計量的分析の開発については順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
面接調査は、調査対象地域との交渉に時間がかかり、東京地域での一部しかできなかったが、次年度以降は、国内の代表的地域において面接調査を行い、その調査知見を定量的、定性的に解析していく。また、研究者間の連絡を密にしながら、今後の面接調査を実施していく。また、面接調査の結果を受けて、社会調査や実験室実験の設計を行い、データの計量心理学的分析を行い、その研究知見を学会大会や学術雑誌において公表する予定である。
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Research Products
(42 results)