2015 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡による新近赤外線装置の18バンド多色撮像で極める銀河形成の絶頂期
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24244015
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
児玉 忠恭 国立天文台, ハワイ観測所(三鷹), 准教授 (80343101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 将央 国立天文台, 光赤外研究部, 特別客員研究員 (30583554)
田中 壱 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (70374890)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本経費で作成した中間帯域及び狭帯域フィルターを用いたSWIMS-18サーベイの具体的な策定を行った。本経費で雇用している研究員とともに、それぞれのフィルターにおいて見積もられる感度予想と、これまでの先行研究から得られている遠方銀河の星質量関数をより暗い側とより遠方宇宙に外挿したものとから、総観測時間を決めた時に最も多くの銀河を観測できるように、各フィルターでの積分時間と、観測する領域面積との組み合わせの最適化のシミュレーションを行った。また、銀河形成・進化モデルやこれまでの観測経験値などを用いて、質量の関数としての銀河団の発見期待個数やその時間進化の見積もり、近傍の銀河団との対応関係づけなどを行った。これらのシミュレーションによって、観測デザインを具体化することができたことが最も大きな進捗であった。 また、本課題の中間帯域フィルターサーベイ部分が密接に関連するプロジェクトである、マゼラン望遠鏡のZFOURGEプロジェクトとの連携を図るため、その主要メンバーである研究者を招聘し、これまでの経験と実績から、どのようにSWIMS-18でサーベイを拡張していくのが最も効果的なサイエンスに繋がるかを議論した。 また、狭帯域フィルターサーベイに関しては、本課題の前身であるマハロすばるプロジェクトとそこから波及した他波長プロジェクトを引き続き推進し、SWIMS-18サーベイに直接つながる、遠方星形成銀河の物理的性質について知見を深めた。 これらのSWIMS-18サーベイのシミュレーション結果や関連する科学的成果について、国内外の多くの研究会で口頭発表の機会を獲得して報告し、SWIMS-18サーベイ計画を広く知ってもらうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は本年度の後半にSWIMSカメラをハワイに移送してすばるに装着し、試験観測をスタートさせる計画であったが、東大天文センターで開発中のSWIMS装置自体の完成とハワイ観測所側での受け入れ体制の確立に遅れが生じてしまったため、残念ながらまだ観測を開始できていない状況である。 一方で研究実績の概要に記載したとおり、すばる望遠鏡にSWIMS装置が取り付けられればすぐに本課題のパイロット観測が開始できるように準備は着実に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の後半には本課題で作成したフィルターが搭載されたSWIMS装置がハワイに移送され、いよいよすばる望遠鏡に搭載される予定である。従って、それまでの間SWIMS-18計画の具体的な策定を引き続き行い、搭載後すぐにもパイロットサーベイを開始できる体制にするよう万全の準備を行う。装置がすばる望遠鏡に搭載された直後は、パイロットサーベイに先立って、まずは試験観測を行い、各フィルターに実際に光を通し、空を見て背景光(ノイズ)の実測を行って感度を実測する。その結果に基づいて、必要があればサーベイ計画の調整を行う。 一方で、FOURGEプロジェクトの主要研究者との議論、サーベイ計画へのフィードバックを本年度も昨年度以上に密に行い、共同研究を推進する体制も整える予定である。 SWIMS-18サーベイの前身である、マハロすばるプロジェクトとそこから波及した密接に関連する他波長プロジェクトの推進も引き続き行い、遠方星形成銀河の性質についてさらなる知見を獲得し、それを元にSWIMS-18サーベイの独自性の追求やサイエンスの先鋭化を行う。 以上のような検討内容や関連プロジェクトの成果については、国内外での様々な研究会の機会を利用して発表し、コミュニティーへの浸透を図り、共同研究の可能性についても模索する。
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[Journal Article] Predicting dust extinction properties of star-forming galaxies from Hα/UV ratio2015
Author(s)
Koyama, Yusei; Kodama, Tadayuki; Hayashi, Masao; Shimakawa, Rhythm; Yamamura, Issei; Egusa, Fumi; Oi, Nagisa; Tanaka, Ichi; Tadaki, Ken-ichi; Takita, Satoshi; Makiuti, Sin'itirou
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Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 453
Pages: 879-892
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Correlation between star formation activity and electron density of ionized gas at z=2.52015
Author(s)
Shimakawa, Rhythm; Kodama, Tadayuki; Steidel, Charles C.; Tadaki, Ken-ichi; Tanaka, Ichi; Strom, Allison L.; Hayashi, Masao; Koyama, Yusei; Suzuki, Tomoko L.; Yamamoto, Moegi
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Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 451
Pages: 1284-1289
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Galaxy Formation at z>3 Revealed by Narrowband-selected [OIII] Emission Line Galaxies2015
Author(s)
Suzuki, Tomoko L.; Kodama, Tadayuki; Tadaki, Ken-ichi; Hayashi, Masao; Koyama, Yusei; Tanaka, Ichi; Minowa, Yosuke; Shimakawa, Rhythm; Yamamoto, Moegi
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 806
Pages: id. 208, 10 pp.
DOI
Peer Reviewed
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