2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度レーザーを用いた電子・陽電子プラズマ生成に関する研究
Project/Area Number |
24244095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 光男 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 教授 (70201663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長友 英夫 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 准教授 (10283813)
西村 博明 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 教授 (60135754)
近藤 公伯 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (80225614)
高部 英明 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 教授 (20150352)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プラズマ物理 / 対生成 / 相対論的プラズマ物理 / 超高強度レーザー |
Research Abstract |
本研究は、目的は、相対論的プラスマ物理の実験的検証を目指し、超高強度レーザーによる電子・陽電子生成機構のスケーリングを明らかにし、相対論的電子陽電子プラズマを生成する。合わせて、観測技術を開発することによって、今後の相対論的プラズマ物性研究の基盤を確立することである。平成24年は、予定通り、以下の実験装置の開発・整備、解析ソフトの開発を行った。 1. 低F値の楕円体集光鏡並びに照射実験真空容器内での保持治具の設計・製作 平成24年度後半に実施する予定であった実験が、次年度に延期されたため、経費を平成25年度に繰り越し、平成25年度の実験によって、プラズマ鏡を設計する上で必要となる基礎データを取得した。そのために必要な、保持治具等の製作を行った。また、楕円体集光鏡の基礎設計については平成24年度内に実施し、ベースとなる設計が完了している。現在、具体的な製作方法の検討を業者と詰めているところである。 2. 高エネルギーX線計測装置の開発 ラウエ型、吸収膜法、コンプトン散乱分光器の開発が予定通り実施され、予備実験によってその性能が評価された。また、全く新しい計測手法(光核反応)を用いた分光器の設計が行われ、試作器が製作された。これらの成果は、平成25年春の学会で報告された。 3. 電子・陽電子計測装置の開発 平成24年度内に、「高エネルギー電子計測器」製作が完了、平成25年度に性能試験を実施した。 4. 解析シミュレーションコードの開発 輻射反作用に関する長友グループの表式の見直しが行われ、新たな表式が提案された。PICコードの整備に関しては、阪大レーザー研の高部英明教授のグループがこれにあたることとなった。前駆パルスの影響については、前駆パルスによって生成されるスケール長20 μm程度の前駆プラズマの存在によって、高速電子のエネルギーが大きく高エネルギー側にシフトすることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題は、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターのLFEXレーザーを用いて、電子・陽電子プラズマを生成する基礎開発を行うものである。従って、本計画は、平成23年度秋の段階でのLFEXレーザー運用運転計画に合わせて作成された。ところが同年春の東日本大震災によって被害を受けた光学部品メーカーの再稼動が当初予想以上に送れ、LFEXレーザーの整備計画が大幅に送れてしまった。そのため、予定された実験計画を変更せざるをえなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定では、計測装置、照射装置、シミュレーションコードの整備を行い最適化された条件での実験を実施する予定であったが、LFEX装置の整備の遅れによって、十分な実験時間を確保することが不可能となったため、実験的には、装置等の性能評価、電子・陽電子対生成の基本スケーリングを明らかにする基礎的な実験に止め、既存のレーザー装置によって、将来的に実現可能な状態を理論的に予測し、最終報告とする。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] New insights into the laser produced electron–positron pairs2013
Author(s)
H. Chen, M. Nakai, Y. Sentoku, Y. Arikawa, H. Azechi, S. Fujioka, C. Keane, S. Kojima, W. Goldstein, B. R. Maddox, N. Miyanaga, T. Morita, T. Nagai, H. Nishimura, T. Ozaki, J. Park, Y. Sakawa, H. Takabe, G. Williams, Z. Zhang
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Journal Title
New Journal of Physics
Volume: 15
Pages: 065010-1-11
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Quantitative measurement of hard X-ray spectra from laser-driven fast ignition plasma2013
Author(s)
Z. Zhang, H. Nishimura, T. Namimoto, S. Fujioka, Y. Arikawa, H. Nagatomo, M. Nakai, T. Ozaki, M. Koga, T. Johzaki, A. Sunahara, H. Chen, J. Park, G.J. Williams, H. Shiraga, S. Kojima, M. Nishikino, T. Kawachi, H. Hosoda, Y. Okano, N. Miyanaga, J. Kawanaka, Y. Nakata, T. Jitsuno, H. Azechi
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Journal Title
High Energy Density Physics
Volume: 9
Pages: 435–438
Peer Reviewed
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[Presentation] Quantitative measurement of hard x-ray spectra from laser-driven fast ignition plasma2012
Author(s)
H. Nishimura, Z. Zhang, T. Namimoto, S. Fujioka, Y. Arikawa, M. Nakai, T. Ozaki, M. Koga, H. Chen, J. Park, G. J. Williams, H. Shiraga, S. Kojima, M. Nishikino, T. Kawachi, H. Hosoda, Y. Okano, and H. Azechi
Organizer
15th International Workshop on Radiative Properties of Hot Dense Matter
Place of Presentation
UAS, Santa Barbara, CA, Fess Parker’s Doubletree Resort
Year and Date
20121105-20121109
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[Presentation] First electron-positron pair experiments using the Osaka LFEX laser
Author(s)
H. Chen, M. Nakai, T. Sentoku, Y. Arikawa, H. Azechi, P. Beiersdorfer, S. Fujioka, C. Keane, S. Kojima, W. Goldstein, T. Morita, T. Nakai, H. Nishimura, T. Osaki, J. Park, Y. Sakawa, H. Takabe, G.J. Williams, Z. Zhang
Organizer
54th Annual Meeting of the APS Division of Plasma Physics
Place of Presentation
USA, Providence Rhode Island, Rhode Island Convention Center
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[Presentation] 超高強度レーザー生成プラズマ用制動放射X線分光器の開発
Author(s)
波元拓哉,西村博明,藤岡慎介,Zhe Zhang,中井光男,古賀麻由子、白神宏之、有川安信、小島完興、疇地宏、尾崎哲、H. Chen, J. Park, J. William, P. Nicolai, A. Morace, M. I. Veltcheva
Organizer
日本物理学会2012年秋季大会
Place of Presentation
横浜国立大学常盤台キャンパス
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