2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24245013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡慶次 学 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60311437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯澤 由紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
秋山 真一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20500010)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2015-03-31
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Keywords | チップ分析 / 免疫分析 |
Research Abstract |
本年度は、①解析チップの開発、②バイオマーカー候補郡の選定、③実用化のための要素技術開発を行った。 ①解析チップの開発:チップの高感度化を目的として、①-1高性能ラベル化剤の開発と、①-2抗原-抗体反応の反応場の最適化を行った。①-1 従来の有機系蛍光色素に代わる新しい蛍光ラベル化剤として量子ドットを合成した。合成した量子ドットを標識とした抗体を用いて、免疫分析を行ったところ、ハイドロゲル構造体内部まで浸透しづらいということがわかった。これはゲルのポアサイズから考えると、量子ドットのサイズではなく、量子ドットの化学的性質によるものだと考えられる。これについては今後さらなる検討が必要である。①-2 従来の免疫分析チップは抗体を物理吸着によりポリスチレンビーズに固定化していたが、本研究では抗体を化学結合により固定化した新しい反応場を開発した。開発した反応場は、従来より1桁以上好感度であることを確認した。 ②バイオマーカー候補郡の選定:糖尿病性腎症の尿中バイオマーカー候補群として、MCP-1、L-FABP、Angiotensinogen、CTGF、およびCollagen IVを選定した。また、糖尿病性腎症診断用チップの開発においてリファレンスとして不可欠な糖尿病性腎症モデル尿検体ライブラリーの構築を行った。具体的には、糖尿病性腎症の病期(ステージ)の異なる患者6名から尿を採取し、尿中のMCP-1、L-FABP、Angiotensinogen、CTGF、およびCollagen IV濃度を現行の標準法である市販のELISAキットにより測定して、各バイオマーカー濃度が既知の糖尿病性腎症ステージ別モデル尿検体ライブラリーを構築した。 ③実用化のための要素技術開発:本年度は、小型蛍光測定装置のための基礎データの取得を目的として、測定方式を検討し、それらのデータに基づき測定装置の概念設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画に記載した研究項目を全て行った。量子ドットによる高感度化は達成できていないが、新規反応場の構築により高感度化に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、研究計画に基づき、①解析チップの開発、②バイオマーカー郡のパネル化、③実用化のための要素技術開発を行う。 ①解析チップの開発:血液および尿を前処理せずにチップに導入できるように、着脱式フィルターアダプターを開発する。開発した着脱式フィルターアダプターをチップに装着し、その性能を評価する。 ②バイオマーカー郡のパネル化:前年度から引き続き、パネル化に必要なバイオマーカーの選定を行う。解析チップで測定した糖尿病性腎症の病期鑑別用バイオマーカー群の各濃度データに基づいて、解析チップの臨床的意義の向上の観点から性能評価を行い、必要に応じてバイオマーカーの再選定や検体の追加収集を行う。 ③実用化のための要素技術開発:蛍光検出の自動化・高効率化に適した新しい反応場のサイズ・形状について検討する。
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Research Products
(7 results)