2015 Fiscal Year Annual Research Report
Spin mechanism of molecular-hydrogen formation
Project/Area Number |
24246013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10228900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関場 大一郎 筑波大学, 数理物質系, 講師 (20396807)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 固体表面 / 水素 / スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,水素原子・分子線を開発し,表面での散乱・反応におけるスピン状態分布をレーザー共鳴分光法を用いて観測することで,水素と表面の相互作用の詳細を明らかにし,散乱・反応におけるスピン機構を解明することを目的としている.本年度は,水素原子検出のためのレーザー共鳴イオン化法の開発を行った.また,SrTiO3(001)およびTiO2(110)表面における水素分子の散乱およびPd(210)表面における吸着ポテンシャルに関する実験を行った.水素分子線をパルス化し,分子の並進温度,回転温度を測定した.散乱角を90°に固定し,散乱分子を回転状態弁別して測定したところ,回転量子数JがJ=1とJ=0の状態で角度分布に違いが現れることがわかった.散乱の理論解析を行い,この違いは相互作用ポテンシャルの異方性項に起因することを明らかにした.ポテンシャル異方性は,主に水素分子の四極子能率に起因すると考えられる.ポテンシャル異方性は,表面の原子配列に敏感なため,ラザフォード後方散乱を用いた表面構造解析を行った.チャネリングプロファイルを測定し,そのプロファイルが非対称になることを見出した.続いてPd(210)表面から脱離する水素分子を回転状態弁別して測定した.その結果,まず軽水素と重水素で大きな違いがあり,重水素の脱離温度の方が軽水素に比べて高いことが分かった.さらに軽水素について,回転状態を弁別して測定したところ,脱離温度に違いがありJ=1の方がJ=0に比べて脱離温度が高いことがわかった.1次摂動に基づき理論解析を行い,この脱離温度の違いが相互作用ポテンシャル異方性に起因することを示し,その大きさを50meVと見積もった.また異方性ポテンシャルの符号について考察し,分子軸が表面平行な向きが垂直に比べて安定になることを明らかにした.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)