2012 Fiscal Year Annual Research Report
リスクに対する頑健性と柔軟性を備えた環境調和型サプライチェーン設計手法の開発
Project/Area Number |
24246150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森口 祐一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30157888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 聖隆 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (10344160)
松八重 一代 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50374997)
中島 謙一 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (90400457)
醍醐 市朗 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20396774)
栗島 英明 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80392611)
井原 智彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30392591)
中谷 隼 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40436522)
菊池 康紀 東京大学, 学内共同利用施設等, 講師 (70545649)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サプライチェーン / リスク / 企業インタビュー / インベントリデータ / 脆弱性 / グラフ理論 / 国際情報交換 / 台湾 |
Research Abstract |
1. サプライチェーンのリスク要因の調査 企業を対象として,サプライチェーン管理に従事する担当者へのインタビュー調査を実施した。現状の企業レベルでのサプライチェーンに存在するリスクを,それらの原因と帰結(対象・時期・問題)という観点から聞き出し,同時にサプライチェーンリスクの管理方法についても調査した。企業インタビューによって抽出されたリスク要因と,それらを分散・回避・軽減しえた有効な対策をもとに,影響を受けにくいサプライチェーンの要件について検討した。 2. 国内のサプライチェーン構造のデータ整備 既存のインベントリデータベースをもとに,1700品目分類以上の製品・サービス間の物質連関を分析し,国内のサプライチェーン構造を記述するマトリクスの整備を進めた。同時に,地理情報システムを活用した地図化や空間解析機能によってサプライチェーン構造の地理的偏在性を可視化するための基礎的な情報を収集した。 3. サプライチェーン構造の評価基準の確立 サプライチェーンの寸断リスクに対する“脆弱性”を評価する枠組みを提案した。ここでは,グラフ理論を用いてサプライチェーン構造と機能停止リスクの関係をモデル化し,生産プロセスの代替性を考慮してサプライチェーン構造の脆弱性を評価する枠組みを構築した。生産プロセスをノード,それらの需給関係をエッジとした有向グラフによってサプライチェーン構造を表現し,有向グラフと同義の行列を開始点としたブール演算により,脆弱性を評価する方法を提示した。提案した評価方法を仮想的なサプライチェーン構造に適用して,機能停止リスクとの関係を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. サプライチェーンのリスク要因の調査 企業インタビューを5社に対して実施し,現状の企業レベルでのサプライチェーンに存在するリスクとサプライチェーンリスクの管理方法について十分に調査することができた。それらをもとにした,影響を受けにくいサプライチェーンの要件についても,研究グループ内で議論することができた。 2. 国内のサプライチェーン構造のデータ整備 既存のインベントリデータベースをもとに,国内のサプライチェーン構造を記述するマトリクスを整備し,データ間の整合性について検討するべき課題を明らかにすることができた。サプライチェーン構造の地理的偏在性の可視化についても,地理情報システムを活用した解析のための基礎的な情報を収集することができた。 3. サプライチェーン構造の評価基準の確立 グラフ理論を用いてサプライチェーン構造と機能停止リスクの関係をモデル化し,生産プロセスの代替性を考慮してサプライチェーン構造の脆弱性を評価する枠組みを構築することができた。提案した評価方法を仮想的なサプライチェーン構造に適用して,機能停止リスクとの関係を示すことで,評価方法の有効性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. サプライチェーンのリスク要因の体系化 平成24年度から引き続いて,国内のサプライチェーン構造に潜在するリスク要因の現状認識のための産業界へのヒアリング調査を継続する。調査結果をもとに,どのようなサプライチェーン構造であればリスクを分散・回避しえたか,リスク要因への有効な対策を体系化する。 2. 国内のサプライチェーン構造のデータ整備 平成24年度までに既存のインベントリをもとに構築したデータベースに,統計データやヒアリング調査により収集する量的情報と地理的情報を加えることにより,1700品目分類以上の製品・サービス間の物質連関の分析を継続する。生産プロセスの位置情報および国内の各地域と輸入のシェアなどの情報収集およびデータ整理には,各種の統計データや地理情報システムを活用した地図化や空間解析機能を活用する。適宜,産業連関表による環境負荷原単位の約400品目分類のデータとのクロスチェックを行う。 3. サプライチェーン構造の評価基準の確立 平成24年度に構築したサプライチェーン構造の脆弱性の評価方法に,2. で整備したサプライチェーンの実データを適用することにより,様々な素材・製品を対象として,我が国におけるサプライチェーン構造の脆弱性と,その中でボトルネックとなっている生産プロセスを特定する。こうしたケーススタディの結果から,データベース整備や評価方法・基準へフィードバックして,最終的な評価方法の確立への課題を明確にする。
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Research Products
(7 results)