2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型防腐木材実現に向けた木質科学からの包括的アプローチ
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24248031
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
桃原 郁夫 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 領域長 (60222345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 功 独立行政法人森林総合研究所, 加工技術研究領域, 室長 (30353684)
吉田 誠 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30447510)
松村 順司 九州大学, 農学研究院, 教授 (70243946)
福島 和彦 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80222256)
藤本 登留 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80238617)
松永 浩史 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (80391184)
服部 順昭 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 名誉教授 (90115915)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2016-03-31
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Keywords | 防腐木材 / 木材保存剤 / 定量 / インサイジング / 注入性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在使用されている保存処理木材の品質保証・性能保証を可能とする技術を開発することを目的に、(1)均質な薬剤注入に関する研究、(2)薬剤の挙動に関する研究、(3)腐朽菌侵入阻止濃度およびパイオニア種の特定、を実施した。 (1)については、温度を変えて乾燥したスギ小試験体に対する薬剤の注入性を確認したところ、注入性と乾燥速度とがトレードオフの関係にあることが明らかとなった。注入性低下の原因を究明するため、有縁壁孔の状態を確認したところ、乾燥温度を高くするにつれて、閉鎖した壁孔の割合が高くなっていくことが認められた。 (2)については、10年間野外暴露に供したCUAZ処理杭およびACQ処理杭の杭上部、地際部、下部から円盤状試験体を調製し、腐朽箇所とCUAZおよびACQに含まれる有効成分である銅の存在箇所との関係を解析した。また、CUAZの有効成分であるシプロコナゾールを2分で定量する方法を開発した。 (3)については、10年間野外暴露試験に供したAZN処理杭、SAAC 処理杭、無処理杭について調査を実施した。試験杭から抽出したDNAを担子菌に特異的なプライマーで増幅して得た試料を電気泳動にかけ、遺伝子のバンドパターンを確認したところ、処理の有無にかかわらず全ての試験杭に複数の担子菌が存在していたことが明らかになった。また、薬剤の種類によって増幅された遺伝子が異なる事から薬剤が真菌類の菌叢に変化を与えたことが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の実験開始が大幅に遅れたことが響き全体的に研究が遅れている他、分担研究者の実験を実際に担当する予定だった方が不慮の事故に遭い研究を継続できなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られている成果について論文としてまとめると共に、遅れている部分については速やかに研究をおこない、所定の成果を得るべく努力する。
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