2012 Fiscal Year Annual Research Report
牛消化器疾病早期摘発のための無線ルーメンセンサ・ネットワークシステムの開発
Project/Area Number |
24248044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 寿浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 集積マイクロシステム研究センター, 副研究センター長 (80262111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 鐘蔵 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所病態研究領域, 上席研究員 (20414732)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リモートセンシング |
Research Abstract |
ルーメンにフィステルを外科的に装着したホルスタイン種成牛(以下ルーメンフィステル装着牛)において、無線通信性能評価、完全固体型pHセンサ・温度センサの性能評価、経口投与型端末の詳細形状検討および胃運動解析のために、実験システムを構築した。 加速度センサ、温度センサを搭載した315MHz帯の無線センサ端末を用意し、315MHz帯通信の有効性、温度センサの性能確認、加速度センサによる胃運動解析、ルーメン内に留置するための端末重量の検討を行った。その結果、重量密度を2.0 gf/cm3に調整した端末であれば、ルーメン内に留置させることができ、連続的なデータ取得が可能であることがわかった。また、ルーメン内温度センシングについては、概ね37.5 ~39 ℃の幅でのルーメン内温度変動を測定することができること、飲水に伴う温度低下なども確実に検出できることが確認できた。さらに加速度センサを使った胃運動流動解析では、1分間に1~2回の、胃収縮運動によるものと思われる大きな流動を捉えることができた。 上記の結果を受け、低周波の胃運動流動に適合する2種類の胃運動センサデバイスの開発を行った。一つはPb(Zr0.52,Ti0.48)O3 (PZT)薄膜を利用したMEMSデバイスであり、梁をS字形状にして長くすることで低周波での動作を可能とした。もう一つはPVDF(ポリフッ化ビニルデン)を利用したデバイスであり,感度は低いが特別な実装を行わなくても壊れにくいという特徴がある。これら2つのデバイスに関し、基本的な特性を確認することができた。 完全固定型pHセンサについては、デバイスの設計を完了し、フォトマスクを製造するとともに、ITO電極形成プロセス等の要素プロセスの検討を終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、ルーメン機能に関わるセンシングデータを無線送信することができるアクティブ型のメンテナンスフリー経口投与型ルーメンセンサ端末と、データを高い信頼性で受信・解析してルーメン機能異常を自動検知するシステムを開発することである。初年度で胃運動センサの有効性の検証できたこと、胃運動センサの試作を完了したこと、およびルーメン内に留置された無線端末によりルーメン機能のモニタリングが可能であることを示すことができたこと、端末に搭載する完全固定型pHセンサについても、その構造および製作プロセス設計を完了したことから、ルーメンセンサ端末および無線モニタリングシステム実現に向けておおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
動物衛生研究所との緊密な連携のもと、次のようなスケジュールで研究課題の推進を行う。本年度前半で完全固定型pHセンサを試作して性能評価を行うとともに、前年度試作した胃運動センサの実装検討、比較性能評価を実施する。後半にはこれらの成果をもとにプロトタイプルーメンセンサ端末を設計して、年度末までに試作を完了する。
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Research Products
(1 results)