2013 Fiscal Year Annual Research Report
牛消化器疾病早期摘発のための無線ルーメンセンサ・ネットワークシステムの開発
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24248044
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 寿浩 独立行政法人産業技術総合研究所, 集積マイクロシステム研究センター, 副研究センター長 (80262111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 鐘蔵 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所病態研究領域, 上席研究員 (20414732)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リモートセンシング |
Research Abstract |
昨年度に試作したプロトタイプのルーメンセンサ端末のルーメン内投与試験の結果を受け、本年度はルーメンセンサの詳細形状を決定、その試作を行った。このセンサ端末の形状は円筒型(直径27mm、長さ70mm、密度は1.9g/cm3)であり、ルーメン内に持続的に留置することが可能である。この無線式のルーメン内留置型センサ端末(温度センサ、運動量センサ搭載)を、外科的に胃収縮運動検知センサ(transduecer法)を装着した牛に投与して、ルーメン収縮運動とルーメン内容物の流動性を解析し、ルーメンセンサによる胃収縮運動解析の可能性について検討した。その結果、ルーメンセンサ端末の運動量センサによって得られるルーメン内容物の流動性の変化は、ルーメン収縮運動とほぼ完全に同調することを明らかにした。また、キシラジンを投与してルーメン運動の抑制並びに鼓脹症を再現したところ、運動量センサで得られるルーメン内容物の流動性はルーメン収縮運動に同調して停止することが確認できた。以上のことから、ルーメン内容物の流動性を評価することでルーメン収縮運動を検知する技術と、ルーメンセンサを用いた流動性評価によって牛の鼓脹症やルーメンアトニーなどの胃運動障害を非侵襲的に早期に検出できる技術の開発に初めて成功した。また実験システムを再構築(無線センサ端末のアンテナ形状の変更、受信機側のアンテナを八木アンテナに変更)することで、データの受診率を93%以上と大幅に改善することに成功した。今後は数頭の追加試験を行いデータの再現性確認した後、特許出願および学会発表などを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、ルーメン機能に関わるセンシングデータを無線送信することができるアクティブ型のメンテナンスフリー経口投与型ルーメンセンサ端末を実現することである。平成25年度は、牛を用いた実験において、ルーメン内容物の流動性を評価することで、ルーメン収縮運動を検知する技術と、経口投与可能な無線ルーメンセンサ端末を用いた流動性評価によって牛の鼓脹症やルーメンアトニーなどの胃運動障害を非侵襲的に早期に検出できる技術の開発に初めて成功したことなどから、実用型端末実現に向けておおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
動物衛生研究所との緊密な連携のもと、次のようなスケジュールで研究課題の推進を行う。平成26年度前半は、牛での実験が可能な、完全固体型pHセンサを搭載した無線ルーメンセンサ端末を試作するとともに、センサを用いたルーメン内容物の流動性評価並びに胃運動評価技術を確立する。後半は長期モニタリング実験および誇張症の早期診断技術の開発および早期診断システムの基本開発を行う。
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Research Products
(2 results)