2013 Fiscal Year Annual Research Report
標的絶対定量プロテオミクスに基づく血液脳関門可塑性の分子機構解明
Project/Area Number |
24249011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 正憲 東北大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (00401810)
濱田 潤一郎 金沢大学, 医学系, 教授 (40253752)
内田 康雄 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (70583590)
中田 光俊 金沢大学, 医学系, 助教 (20334774)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血液脳関門 / 可塑性 / トランスポーター / 病態 / P-glycoprotein |
Research Abstract |
「動的インターフェースとしての血液脳関門(BBB)可塑性の分子機構解明」を目的として、本年度は、アトモルレベルの高感度標的リン酸化定量プロテオミクスを確立して、脳毛細血管内皮細胞の輸送機能を変動させる細胞膜上や細胞内で情報伝達に関与するリン酸化タンパク質を同定した。具体的には、ストレス病態モデルとして過酸化水素を曝露したヒト脳毛細血管内皮細胞株 (hCMEC/D3細胞) を用い、P-glycoprotein(P-gp)/MDR1 単分子輸送活性の制御機構を解明した。hCMEC/D3細胞におけるP-gpを介したvinblastineの排出輸送活性は過酸化水素の暴露濃度依存的に低下する一方、P-gp絶対発現量は有意に変動しなかった。リン酸化定量プロテオミクス解析の結果、過酸化水素によるP-gp輸送活性低下に伴って、リン酸化量が変動するタンパク質を同定した。特に、細胞膜結合タンパク質カベオリン-1についてTyr14のリン酸化絶対量とP-gpの単分子輸送機能が相関することを見出した。さらに、細胞内伝達に関与するtyrosine-protein kinase Srcの顕著なリン酸化変動が検出された。以上の結果から、ヒトBBBのP-gp輸送機能の制御機構としてカベオリン-1のTyr14リン酸化が関与することを解明した。本研究成果によって、脳毛細血管内皮細胞における細胞情報伝達経路の活性化によるトランスポーター機能の制御機構の定量的解明に突破口が開かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、平成26年度に計画していた「炎症病態モデルにおける輸送活性変動機構」の解析を前倒しで進めた。さらに、リン酸化定量プロテオミクス解析によって、当初計画では想定していなかった分子群が見い出だされた。
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Strategy for Future Research Activity |
液体クロマトグラフィー-質量分析装置(LC-MS/MS)の最新高感度化技術を用いて、単離脳毛細血管の解析を次年度以降加速させる予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] A study protocol for quantitative targeted absolute proteomics (QTAP) by LC-MS/MS: application for inter-strain differences in protein expression levels of transporters, receptors, claudin-5, and marker proteins at the blood-brain barrier in ddY, FVB, and C57BL/6J mice.2013
Author(s)
Uchida Y, Tachikawa M, Obuchi W, Hoshi Y, Tomioka Y, Ohtsuki S, Terasaki T.
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Journal Title
Fluids Barriers CNS
Volume: 10
Pages: 21-21
DOI
Peer Reviewed
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