2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24249019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松本 直通 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80325638)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 染色体構造異常 / 次世代シーケンス / CNV / 情報解析 |
Research Abstract |
パーソナルゲノム解析時代に向けて開発が遅れている染色体(ゲノム)微細構造異常の次世代シーケンサー(NGS)による網羅的検出法を開発することを目的とし研究を進めた。本年度は以下の3つを柱に研究を進めた。 I)イルミナ社合成シーケンス法(Miseq)とライフテクノロジー社半導体シーケンス法(PGM)のシーケンス特性の検討:ベースコールクオリティの比較を行った。MiSeqはリード全体で平均クオリティスコア30(精度99.9%)以上を保っていたが、PGMはリードポジションの前半で平均クオリティスコア25以上を示し、リードポジション100付近では平均クオリティスコアは20(精度99%)であった。1リードあたりの平均シーケンスクオリティスコアの分散を調べた結果、PGMはクオリティスコア5から30の区間になだらかな台形の分布を示したが、MiSeqはクオリティスコア30以上にシャープな山形の分布を示した。それぞれのシーケンサーではリード長にも異なる傾向が認められた。PGMは想定リード長100 bpに対し60 bpから150 bpにリード長が分布していたが、MiSeqは想定リード長150 bpが正確に読まれていた。 II)ターゲット・あるいは全エクソーム解析データを用いたCNV検出法の開発・検討:ターゲットエクソームデータの解析にワシントン大学Alex Nord博士が開発したCNV検出プログラムで6例の陽性コントロール全てでCNVを検出し本邦が有用であることが判明した。全エクソームデータ用にはXHMMプログラムを検討しターゲットおよび全エクソームデータでのデータ検証を進めている。 III)全ゲノム解析プロトコールの確立:7名の全ゲノム解析を終了し、全ゲノム解析のWetのプロトコールについては確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シーケンサーのシーケンス特性の検討ではイルミナ社合成シーケンス法とライフテクノロジー社の半導体シーケンス法の両社の比較を行いそれぞれの特性を明らかにすることが可能であった。半導体シーケンス法は現在200(Proton)~400ベース(PGM)のシーケンス長を獲得しさらなるプロトコールの改善が進んでいるため、当面イルミナ社の合成シーケンス法を解析プラットフォームの主体とすることとする。 染色体構造解析においてはすでに解析が進んでいるエクソーム解析のデータを用いてCNVの同定が一定のレベルで可能であることを確認することができた。特にターゲットエクソームでは少なくとも一定のレベルのCNV(特に欠失)は確実に同定可能であり、今後の解析に極めて有用な系を確立した。 平成24年度に7名の全ゲノム解析が終了し、実験系(Wet)については完全に確立しさらにSNV異常の同定法までの解析フローも完成している。これらの全ゲノムシーケンスデータは染色体構造異常解析の基本データでありこのデータを用いて種々の構造異常に対して情報解析が可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
CNV解析については全エクソーム解析データを用いたCNV同定の感度についての検討を進め、最適のプロトコールを策定していく。 染色体染色体構造については、特に平成25年度に肉眼的な相互転座で既に延期レベルで解析が終了している陽性コントロールと延期レベルでの解析が終了していない症例を複数例ずつ検討し転座切断点を決定するプロトコールを確立する予定である。また全ゲノム解析においてどの程度の深度で読み取るか(例えば全ゲノム解析に必要とされる30X程度のカバレージが必要かあるいは薄く10Xあるいは数Xで可能なのか)の検討も進めていく。相互転座のプロトコールは逆位などの複雑な構造異常の解析にもすぐに応用が可能である。 ライフテクノロジー社の半導体シーケンス法は、今後400 bp程度の比較的長いシーケンス長を確立する予定で現在も開発が進んでいる。その動向も視野に入れながら適宜染色体構造異常解析に導入をしていきたいと考えている。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Medelian exome
Author(s)
Naomichi Matsumoto
Organizer
The 12th annual meeting of East Asian Union of Human Genetics Societies.
Place of Presentation
Seoul National University Hospital, Seoul, Korea
Invited
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