2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24255003
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
妹尾 春樹 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90171355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃井 隆 国際医療福祉大学, その他の研究科, 教授 (40143507)
目崎 喜弘 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40431621)
吉川 究 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90400481)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射能汚染 / スバールバル群島 / スピッツベルゲン島 / 北極圏動物 / 地衣類 / セシウム134 / セシウム137 |
Research Abstract |
放射能汚染の地球規模の拡大の速度を考慮して、平成25年8月20日から9月11日にかけて、スバールバル群島のスピッツベルゲン島にて試料すなわち、ヒゲアザラシ、ワモンアザラシ、スバールバルトナカイ、シロカモメ、スバールバルライチョウ、ホッキョクチャー(硬骨魚類)、クリオネ(貝類)、および地衣類(Cetraria islandica, Cladonia arbuscula, Cladonia rangiformis, Cladonia furcata, Cladonia convoluta, Hypogymnia physodes, Pseudevernia furfuracea, Lasallia pustulata, Lobaria pulmonaria, Alectoria ochroleuca, Sereocaulon alpinum, Ramalina farinacea, Ramalina fastigiata,, Ramalina siliquosa, Roccella fuciformis, Rocellia fucoides)を採取した。試料を秋田大学に搬送し、放射能の解析をおこなっている。解析の対象としている核種はセシウム134およびセシウム137である。両者の半減期の違いから放射能汚染が最近のものか、あるいは過去のものか判定可能であり、現在までの解析ではセシウム134に高値は検出されておらず、北極圏に新しく放射能汚染が生じた証拠は得られていない。それらのデータは総合して、今後のグローバルな環境保全や生物多様性の維持のための対策の一助にもなることと確信される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年8月から9月における試料の収集のみでなく、秋田大学学長裁量経費よる研究費のサポートを受けて。平成23年8月から9月にかけてもスピッツベルゲン島にて、北極圏動物および植物、地衣類、土壌のセシウム134およびセシウム137の解析を行なうことが出来た。このときもセシウム134に高値は検出されておらず、北極圏に新たに放射能汚染が生じた証拠は得られていない。貴重なデータが経時的に蓄積されており、当初の研究目的の達成度は順調と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の成果をふまえて今後も、グリーンランド東岸とスバールバル群島において、可能な限り多くの動物および植物を採取し、凍結保存する。さらにサーミ人からトナカイの飼料を得る。トナカイの食料となる地位類も採集する。スバールバル群島においてはスバールバル大学機構に、グリーンランドではイトコトミットの病院に、ラップランドではトロムソ大学にサンプルを貯蔵し、一定量に達したら日本に搬送して、放射能の測定、遺伝子の異常のデータを得るシステムを樹立する。CITESを取得して、試料を日本に持ち帰り、放射能(134Cs, 137Cs)を測定する。
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