2013 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の身装画像デジタルアーカイブの構築―文化変容に視点を据えて
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24300099
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
高橋 晴子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (10247885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸川 雄三 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (10390600)
中村 佳史 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 研究員 (10462186)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 衣文化 / デジタルアーカイブ / 身装 / 服飾 / 連想検索 / Clothing Culture / Digital Archive / Dress and Behavior |
Research Abstract |
本研究は、明治維新以降、約80年間における日本人の「身装―身体および装い」にかかわる文化変容の実態について、新聞・雑誌記事中の挿絵および写真、新聞・雑誌の小説挿絵、一枚ものの写真、図書中の図版など、本研究課題にそった約1万件の画像データ資料を選択・検証し、その成果としてデジタルアーカイブを作成することを目的としている。属性情報としては、書誌情報のほか、年代、シソーラス、フリーキーワード等を付し、検索機能を充実させるとともに、《近代日本の身装電子年表》および《身装文献データベース》(国立民族学博物館で公開中)とのリンクも実現する。 今年度は、平成24年度の研究成果を前提として、下記の要領で研究を進めた。データに関しては、約2,500件の画像データのデジタル化を行い、15のメタデータを付与し、その妥当性を検証した。2,500件のうち約1割の画像データについては、国立国会図書館で掘り起こしを行った。24年度に引き続き、《近代日本の身装電子年表》および《身装文献データベース》とのリンクを継続して行った。システムに関しては、発信環境用アプリケーションを開発した。平成24年度に開発した身装画像データベースシステムを基に、公開のためのウェブサービスの研究を進めた。さらには、画像アーカイブの充実を目的に、身装画像を対象とした分類支援および絵引制作システムの活用と、さらなる研究開発を進めるための準備を行った。昨年度に処理をしたデータも含め、合計約5,000件からなる連想検索を含む検索システムを実現し、「身装画像絵引」の企画も具体化することができた。ユーザーインターフェースに関しては、現在公開中の《近代日本の身装電子年表》および《身装文献データベース》等を含め、身装デジタルアーカイブの全体像を利用者が、より簡易に理解できるカバーサイトの企画を具体化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像データの入力および属性データの分析については順調に進行している。システムについては、絵引索引がすこし遅れをとっているが、おおむね順調である。ユーザインターフェスについては、すでに公開している身装関連データベースとの調整もあり、来年度の仕事として取り組むほうが、効率的であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
明治維新以降、約80年間における日本人の「身装―身体と装い」に関する文化変容の実態を、各種画像資料を用いてデジタルアーカイブ化するという研究計画については変更はない。身装画像データに付与した属性情報を十分に生かし、深い検索システムを実現させ、近代日本人の衣生活を多角的に捉えることのできるデジタルアーカイブの作成を目指している。平成25年度の研究会において、研究連携者および研究協力者にプロトタイプを公開し、意見の集約をはかったが、これらの意見を今後のシステム開発にフィードバックし、システムを充実させる。すでに公開されている<近代日本の身装電子年表>をはじめとして、身装文献等のデータベースともリンクを張り、画像、文献、標本からなる、身装デジタルアーカイブを実現する。さらには、国立民族学博物館をはじめとして、国内外の美術館・博物館が所有する関連データとのリンクも実現させ、近代日本を専門とする国内外の研究者たちの学術的な利用にも耐えうるデジタルアーカイブを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
画像へのアノテーションを実現させ、絵引き索引を作成予定であるが、そのシステム開発が平成26年度に着手することとなったため。 平成26年度に絵引き索引を実現させるため、そのシステム開発のための費用とする。
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Research Products
(11 results)