2012 Fiscal Year Annual Research Report
生物医学研究推進のためのマーモセットMHC情報の総合的理解と研究基盤の開発
Project/Area Number |
24300155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 准教授 (00317744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀谷 美恵 東海大学, 医学部, 講師 (50338787)
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター, 臨床研究センター, 室長 (70373470)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マーモセット / MHC / 多型 / 再生医療 / 免疫 |
Research Abstract |
コモンマーモセットはヒトとの類似性や近似性を示す実験動物として、高い資質や需要を有するが、その遺伝情報が考慮されないまま生物医学研究に供試されている現状がある。遺伝情報の中でも主要組織適合性複合体(MHC)における遺伝情報の基盤整備は国内外ともにニーズが高く、かつ緊急性を要する。本課題では、コモンマーモセットのMHC(Caja)遺伝子の多型解析を実施し、マーモセットのMHC多型情報を理解し、研究基盤を整備することを目的とした。本課題では、サブクローニング法にて得られた49配列に共通な位置(エクソン2とエクソン4)にプライマーを設計し、次世代シークエンサーGS Junior System(ロシュ)のアンプリコンシークエンシングプロトコールにしたがって、各Cajaクラス1配列の検出を試みた。その結果、13頭のsibを含む45頭を用いたCaja遺伝子の多型解析から、1個体あたり11種類から17種類のCajaクラス1配列が認められ、計34配列が同定された。それらのうち、26配列は本研究により検出された新規配列であった。また、5ペアー計13頭のsibに限定した場合、sib間におけるDNAタイピング結果に矛盾が認められなかったことから、本法は、Cajaクラス1遺伝子のDNAタイピングに有効であることが示唆された。現在、これら多型情報からハプロタイプ構成の推定を進めており、今後、本成果を再生医学研究、免疫病、アレルギー、脳神経系疾患に関する研究に提供することにより、これら分野がよりいっそう進展することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
良質なRNAサンプルを入手できたこと、また早期に次世代シークエンシングによるDNAタイピング法を開発できたことから、今後のMHC発現解析や機能解析に移行する目途がついたため
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロキメリズムに関する知見を得るとともに、主要臓器におけるCaja遺伝子発現量の組織間、親子間およびCajaハプロタイプ間の差異を明らかにするために、CajaクラスII遺伝子を含めた次世代シークエンサーを用いたマルチプレックスDNAタイピング法の開発に取り組む。また、各Caja:遺伝子における発現解析(マイクロキメリズムに関する知見を得るとともに、主要臓器におけるCaja遺伝子発現量の組織間、親子間およびCajaハプロタイプ間の差異を明らかにすること)、機能解析(機能不明なCajaクラス1遺伝子の機能を同定すること)の3項目を実施することにより、多面的にコモンマーモセットのMHC情報を理解し、研究基盤を整備することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降では、MHC多型解析のためのPCR関連試薬、シークエンシング関連試薬、DNAタイピング関連試薬、MHC機能解析のための細胞培養関連試薬、各種抗体、およびMHC機能解析のための抗体作製関連試薬、免疫学的機能解析関連試薬の購入、また関連学会参加に使用する国内旅費、マーモセット個体の購入に充当する。
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Research Products
(6 results)