2013 Fiscal Year Annual Research Report
タギングMRIによる画像分解能以下の微細変動計測法の開発
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24300161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 哲也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 晃 立命館大学, 生命科学部, 教授 (60252491)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRI / タギングMRI / 空間分解能 / デジタル符号化 |
Research Abstract |
本研究では、非タグ/タグの明暗領域を二値のデジタル符号とみなすという独自のタギングMRI撮像・解析法に基づき、MRI画像空間分解能以下の微細変動量を計測可能であることを示すことを目的に、理論的、実験的検討を行っている。 2年目の平成25年度は、撮像法に関する改良と方法論の概要構築の期間との位置づけで予定通り研究計画を進め、初年度に開発したスピンエコー法に基づくタギングMRI法を改良するとともに、研究代表者による実験的検討と研究分担者による理論的検討との統合的な関連付けを行うことによって、微細変動を検出する際に障害となるタグの精度に関した様々な問題点を明らかにし、その原因の追求と解決に取り組んだ。 撮像法の改良では、静止phantomを対象にタグと画像との相対的な位置関係を確定するための技術開発として、タグ幅が画素(pixel)の大きさと僅かに異なる場合、光の干渉現象と同様の周期的変化が現れることを利用した新たな手法を考案した。従来はタグ位置を変化させながら逐次撮像を行っていたため、相対的位置の確定には7-8回の準備撮像が必要であったが、新たな方法により位置確定のための準備撮像を2-3回まで減少させることができ、相対的位置の確定法の開発については当初の目標を概ね達成した。 タグの精度に関する問題点としては、本研究のように空間分解能以下の微細な変位計測を行う場合、タグの間隔のみならずタグ形状の空間的均一性が重要であることが研究分担者の静止phantom実験結果に対する詳細な理論的検討により判明した。RFパルス強度の空間的不均一性がタグ形状に影響を及ぼすため、このような問題に対処できるよう開発環境の柔軟性に優れた研究用MRI装置に新たにタギングMRI法を移植することとし、高速スピンエコー法に基づくタギングMRIパルスシーケンスを研究用MRI装置のプログラム言語で作成・検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、具体的な研究内容として、1)MRI撮像パラメタとタグおよび画像の位置との関係に関する検討、2)タギングMRI法の実装およびタグと画像の位置関係確定技術の開発、3)シミュレーションによるタグの形状および組み合わせの最適化、4)画像分解能以下の微細変動に関する検出手法の開発、の4つのテーマに分けて研究を進めている計画を立案していた。 上記の研究テーマ1),2)については、当初の予定通り、平成25年度までに概ね完了している。研究テーマ3)については、平成24年度には主としてシミュレーションを含む理論的検討、平成25年度は実験的検討と理論的検討の統合を行い、本研究項目についても予定通りである。研究テーマ4)は平成26年度より本格的に着手する計画であった研究項目であるが、平成25年度より動的phantomの設計および部品の購入に着手しており、平成26年度当初より動的phantomの作成を開始する予定である。以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
4つに分けた計画を進めている具体的な研究内容のうち、研究テーマ1),2)については、平成25年度までに概ね完了しており、平成26年度は、3)シミュレーションによるタグの形状および組み合わせの最適化、4)画像分解能以下の微細変動に関する検出手法の開発、の両者について、研究を進めて行く。 研究テーマ3)については、平成24年度にシミュレーションを含む理論的検討、平成25年度は実験的検討と理論的検討の統合を行い、平成26年度はタグの形状や組み合わせに関する詳細な最適化に取り組む。平成25年度進捗により、開発環境の柔軟性に優れた研究用MRI装置で高速スピンエコー法に基づくタギングMRIパルスシーケンスの実行が可能となったため、研究用MRI装置を用いた高精度の解析・検証が容易になったと期待しており、予定通り最適化を進める。 研究テーマ4)については、平成26年度当初より動的phantomの作成を開始し、次いで、微細変動を検出するための撮像実験を行う。実際に撮像したタギングMRI画像を対象とした場合に生じる検出法の問題点を探るとともに、MRI装置に実装した撮像法にフィードバックすることによって検出法、撮像法の両者に改良を加える予定である。 申請時の計画と異なる点としては、グラディエントエコー法による撮像ではなく、平成24年度に新たに実装したスピンエコー法に基づくタギングMRI法を用いる点、臨床用MRI装置のみでの開発では無く、平成25年度に新たに研究用MRI装置にタギングMRIパルスシーケンスを実装した点が挙げられるが、いずれも変更に伴う問題点は特に残っておらず、むしろ研究の自由度が高まったと考えており、研究の進行については、計画通りの手順で遂行できると予想している。
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[Journal Article] Persistent Overexpression of Phosphoglycerate Mutase, a Glycolytic Enzyme, Modifies Energy Metabolism and Reduces Stress Resistance of Heart in Mice2013
Author(s)
Junji Okuda, Shinnichiro Niizuma, Tetsuo Shioi, Takao Kato, Yasutaka Inuzuka, Tsuneaki Kawashima, Yodo Tamaki, Akira Kawamoto, Yohei Tanada, Yoshitaka Iwanaga, Michiko Narazaki, Tetsuya Matsuda, Souichi Adachi, Tomoyoshi Soga, Genzou Takemura, Hiroshi Kondoh, Toru Kita, Takeshi Kimura
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 8
Pages: online
DOI
Peer Reviewed
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