2015 Fiscal Year Annual Research Report
超偏極希ガス磁気共鳴イメージング法による肺機能診断と前臨床評価系の構築
Project/Area Number |
24300163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 敦臣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70303972)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超偏極キセノン / MRI / 肺機能診断 / 前臨床評価 / 難治性肺疾患 / 新薬探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究課題にて発見した知見に基づいて、他に類を見ない超偏極キセノン(HPXe)凝縮装置の開発を概ね終了した。本装置は、有機クエンチングガスを分離するためのガラスコイル凝縮器と163Kまで冷却可能な冷凍機から構成され、簡易な取扱いにて偏極率向上を図る事ができた。即ち、計画当初と比較してインビトロにおいて5倍に相当する約50%、インビボにおいて2倍の約20%の偏極率を達成する事が可能であり、HPXe MRI肺機能診断の高精度化を図ることができた。本成果は、世界的に類を見ない完全偏極達成への礎となることが期待される。 一方、申請者は、HPXe MRI肺機能診断を利用した前臨床評価系を構築し、これを慢性閉塞肺疾患(COPD)モデルマウスに適用して病態診断に資するバイオ―マーカーの提唱を行うとともに、新薬探索への応用を図りピルビン酸エチルが有効であることを見出した。そこで、計画の最終年度となる本年度では、ピルビン酸エチルの抗炎症作用機序に基づく広範な治療効果を期待して、COPDと同じく難治性肺疾患である肺線維症および肺気腫における前臨床評価を遂行した。その結果、ブレオマイシンが誘発する肺線維化をピルビン酸エチルが可逆的に抑制することを見出した。肺線維症は、線維化に伴う換気障害によりHPXe MRI画像の不鮮明化が懸念されたが、上述の成果により高精細な肺機能診断を行う事が可能であり、ピルビン酸エチルの肺線維症に対する治療効果を明瞭に観測することに成功した。また、肺気腫に対しても同様に強い薬効を有することを確認する事ができた。しかし、肺気腫による肺胞破壊を完全に抑制することはできず、さらなる治療法の探索が必要と思われた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)