2013 Fiscal Year Annual Research Report
マンガン造影MRIとナノDDSによる細胞生存性イメージングの開発と病態適用
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24300167
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
青木 伊知男 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (10319519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
齋藤 茂芳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40583068)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MRI / マンガン / がん・腫瘍 / 放射線 / MEMRI / 定量 / MnO / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Mn造影MRIとナノ粒子によるDDS技術を結合させることで、化学治療および放射線治療後のがん細胞の生存性を迅速に検出し、50ミクロン以下の高空間分解能で細胞生存性を反映した生体イメージングを可能とする「細胞生存性イメージング(cell viability imaging)」を開発し、病態モデル動物において有用性を実証することにある。 本年度は、前年度の結果を基に、①Mn造影剤が細胞生存性と細胞周期停止を特異的に検出する条件の最適化とメカニズムの検証を大腸がんモデルで実施し、論文成果としてがんの基礎研究において影響力の高い雑誌に受理された(Manganese-enhanced MRI reveals early-phase radiation-induced cell alterations in vivo. Cancer Res. 2013 Jun 1;73(11):3216-24)。この報告では、X線照射24時間後に、多くの細胞でアポトーシスが生じる前の段階で、すでに大腸がん細胞にMn造影剤の取り込みが低下していることを定量的に示したもので、細胞周期停止およびそれに伴う細胞増殖の低下をMn造影剤が反映したことを示唆する。アウトリーチ活動を行い、5月24日文部科学省でメディア向けに資料配付が行われ、読売新聞「放射線治療 効果1日で確認 弱ったがん細胞MRIで区別」(2013年5月27日夕刊3面)など多数のメディアに掲載された。本成果は「細胞生存性イメージング」の実現に向けた重要な要素技術の一つになると考えられた。②腫瘍細胞外にあるときは陰性化し、細胞内で陽性化するセンサー造影剤の開発に関しては、MnOナノ粒子の開発についての問題点を検討した。③血管など標的としない組織からの信号を消去する技術の病態モデルへの応用については、長い血中半減期・酸化鉄微粒子について、候補物質を検討した。④微量造影剤を検出する高感度位相・磁化率イメージング手法のMnセンサー造影剤への応用については、磁化率強調画像法のマウスでの最適化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「細胞生存性イメージング(cell viability imaging)」の根幹となる細胞周期を反映する画像法の撮像に成功し、主要な国際誌(Cancer research)に受理され、またプレスリリースの後に、多数報道に掲載されるなどアウトリーチ活動にも寄与したため。
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Strategy for Future Research Activity |
課題①Mn造影剤が細胞生存性と細胞周期停止を特異的に検出する条件の最適化とメカニズムの検証については、一定以上の成果を上げたが、引き続き、そのメカニズムの詳細の検証および適用拡大に向けて研究を進める。課題②~④については、計画通り研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大阪大学で実施予定だった前臨床実験が、実験手法の最適化のために遅れが生じて、次年度の実施となったため。 大阪大学で実施予定の前臨床実験は、次年度に実施する。
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Research Products
(13 results)