2014 Fiscal Year Annual Research Report
マンガン造影MRIとナノDDSによる細胞生存性イメージングの開発と病態適用
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24300167
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
青木 伊知男 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (10319519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 茂芳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40583068)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分子イメージング / 生体イメージング / MRI / マンガン / 造影剤 / 細胞生存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ粒子キャリアによる薬剤送達技術とマンガン造影MRIを組み合わせ、細胞生存性を反映した生体イメージングを可能とする細胞生存性イメージングの確立および前臨床モデルでの生体適用を行うため、下記の4項目を実施し達成する。①Mn造影剤が細胞生存性と細胞周期停止を特異的に検出するための条件を検証、最適化し、X線を担がんモデルに照射、その取り込みメカニズムを分析・検討する。②細胞環境で信号が変化するMnセンサー造影剤を開発し、in vitroでの試験を経て、前臨床適用を行う。③標的としない組織からの信号(血管や細胞外など)を消去する技術を開発、④微量の造影剤を検出する高感度位相・磁化率イメージング手法を開発し、Mn造影剤へ応用する。 これまでに、①Mn造影剤が細胞生存性と細胞周期停止を特異的に検出する条件の最適化とメカニズムの検証を大腸がんモデルで実施し、論文成果としてがんの基礎研究において影響力の高い雑誌に受理された(Saito S et al., Cancer Res. 2013 73(11):3216-24)。アウトリーチ活動として文部科学省でメディア向けに資料配付が行われ、読売新聞「放射線治療 効果1日で確認 弱ったがん細胞MRIで区別」(2013年5月27日夕刊3面)など多数のメディアに掲載された。また、放射線以外の細胞傷害性について検討を進めた。②腫瘍細胞の環境で応答するセンサー造影剤の開発に関しては、環境応答Mnナノミセルの開発を行い、前臨床モデルでのテストを行った。③血管など標的としない組織からの信号を消去する技術の病態モデルへの応用については、撮像法と候補物質の検討を進めた。④微量造影剤を検出する高感度位相・磁化率イメージング手法の応用については、磁化率強調画像法の最適化を進めた結果、現行の7テスラよりもさらに磁場強度の高いMRIの使用がより有利である事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Mn造影剤の細胞取り込みが細胞周期に依存することなどを明確にし、X線照射モデルへのin vitroおよびin vivo応用がCancer Research誌に受理されるなど明確な成果が得られた。また、読売新聞、時事通信、日本科学新聞など幅広く掲載され、十分なアウトリーチを果たしている。さらに、本研究からがん細胞の環境に応答した機能性Mnナノ粒子が開発されており、本年度に論文を投稿する予定である。これらの成果から区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、生物学的メカニズム解明と前臨床研究への応用、そして臨床への応用など多岐に渡る展開が期待できる。In vivoにおいて細胞生存性を明確に反映する生体断層イメージング手法は未だ存在せず、移植細胞の追跡、治療効果の早期評価など実用化が臨まれている。本研究はそれらの重要な要素技術となる。さらに欧米で開発が進む、超高磁場MRIによる細胞レベルに迫るマイクロイメージングは、その感度と空間分解能を上げる技術として、本研究と併用することで、これまでに無い生物医学の研究手法を提示する可能性が高いため、最終年度において将来を見据えた取り組みを付加した。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] デュアルプローブ包含ソフトナノゲル2014
Author(s)
村山周平, 城潤一郎, 柴田悠圭, 三田智文, 佐賀恒夫, 青木伊知男, 加藤大
Organizer
第9回日本分子イメージング学会・学術集会
Place of Presentation
大阪・千里ライフサイエンスセンター
Year and Date
2014-05-23 – 2014-05-23
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