2014 Fiscal Year Annual Research Report
非能動型新規上肢リハビリ訓練ロボット及びその各種リハビリ手法との融合に関する研究
Project/Area Number |
24300205
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
古荘 純次 福井工業大学, 工学部, 教授 (70107134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 のぞみ 福井医療短期大学, その他部局等, 講師 (00620907)
和田 太 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10341512)
小田 邦彦 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10440950)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (20117493)
早川 潔 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20325575)
石田 圭二 福井医療短期大学, その他部局等, 教授 (20446157)
西尾 浩一 福井工業大学, 工学部, 准教授 (30550561)
小林 康孝 福井医療短期大学, その他部局等, その他 (80424448)
原田 孝 近畿大学, 理工学部, 教授 (80434851)
原口 真 福井工業大学, 工学部, 講師 (80467547)
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
岡田 志麻 近畿大学, 理工学部, 講師 (40551560)
森本 正治 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40341078)
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30335377)
高見 友幸 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (50300314)
堀尾 裕幸 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (20157069)
小柳 磨毅 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20269848)
藤川 智彦 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80321420)
鄭 聖熹 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (50422176)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リハビリテーション / メカトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の可塑性発現は,その体部位の使用頻度に依存するという多くの報告があり, 麻痺の回復には麻痺した上肢の自発的な運動量を増やすことが重要である。リハ装置は人間と常に接触して働くため, 安全性が最も重要となる. そこで, 本研究では, 力覚の提示に本質安全性を有する非能動型新規上肢リハビリ支援システムの研究開発,及びその各種リハビリ手法との融合に関する研究を行う.平成26年度に力覚の提示を行うブレーキ力の伝達機構に若干の滑りが生じていることが分かったため,伝達機構の改良を行い,滑りを止めることに成功した.そこで,臨床評価全体に遅れが生じた. (1)亜急性期の脳卒中を対象に上肢全体を訓練する上肢リハビリ支援システムと電気刺激と併用訓練の効果を明らかにする臨床比較研究は、今まで報告がない。両者の併用により, 機能的改善, 能力的改善が見込まれ, 今後の脳卒中リハへの新しい方法となる可能性が出てくる.この臨床評価を行う準備を行った。 (2)水平及び垂直ディスプレイを有するシステムを研究開発した.上肢リハビリ支援システムの訓練場面設定を, 垂直ディスプレイから水平ディスプレイに切り替えることで, 訓練効果に差異があるか否かを検証するシステムとした. (3)脳卒中における運動麻痺は多くの場合片麻痺であり,右半身あるいは左半身の運動麻痺となる.本研究のシステムは,力覚の提示にブレーキを用いた非能動型システムであるため,ブルンストロームステージⅢ未満の患者には適応できない.そこで,健側(非麻痺側)上肢による補助が可能なシステムの研究開発を行った. (4)脳卒中における病的な運動である共同運動の検出を目的として,安価なモーションキャプチャを用いた運動計測に関する基礎的検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ブレーキ力伝達機構に若干の滑りがあることが発見されたため,平成26年度に予定していた臨床評価全体に遅れが生じたが,滑りの問題は解決できた.予定より進んだ部分としては,下記のような点がある. 遠方にある産業医科大学での臨床評価のため,可搬性の高いリハビリ支援システムの開発が必要となる.さらに耐久性の高いリハビリ支援システムとする必要がある.平成26年度のシステム開発では,この両者を満たす上肢リハビリ支援システムが開発できたと考えている. 非麻痺側補助・両手動作訓練を機構的に実現できるシステムの1次試作機の研究開発を行った.脳卒中における運動麻痺は多くの場合片麻痺であり,右半身あるいは左半身の運動麻痺となる.本研究のシステムは,非能動型のシステムであるため,非麻痺側補助・両手動作訓練の導入は,対象とする患者数を増やす. リハビリ支援ソフトのリファクタリングを行った.ソフトウエアリファクタリングは、ソフトウエアの持つ機能はそのままに、構造を見直す作業であり、開発過程で複雑になっていくプログラムを改善し、バグを減らし、機能拡張にも有効である。これにより,リハビリ支援ソフトの保守性・機能拡張性などが向上した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,産業医科大学リハビリテーション講座,附属病院,及び近畿大学医学部リハビリテーション講座,附属病院における臨床評価を行う.その際に,脳機能の計測なども行い,リハビリ支援システム操作時の脳の活動に関する知見を得る. 上肢リハビリ支援システムのコンパクト化,高耐久化について,関連の企業の協力も得て研究開発を進める.さらに,リハ医,セラピストから高い評価を得ている川平法を提案されている鹿児島大学医学部リハ講座名誉教授の助言により,リハビリ支援システムの改善を図る.
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Causes of Carryover |
医療福祉工学,理学療法学,インシデント解析,リハビリソフト研究開発,機構開発等に関する研究体制の強化を図るため,2014年12月に研究分担者の追加を行った.しかし,機構・電気電子回路等の設計,納品時期等の遅れにより,年度内に行うことができなかった.そこで,これらのための経費を次年度に繰り越すことになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度にできなっかった機構・電気電子回路等の研究開発等に,平成26年度から平成27年度に繰り越した経費をあてる.
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