2012 Fiscal Year Annual Research Report
異なる中等度運動強度及び朝・夕の運動実施時間帯の相違による総脂質酸化量の変動
Project/Area Number |
24300238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
坂本 静男 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00266032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 満 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (20192289)
緑川 泰史 桜美林大学, 健康福祉群, 講師 (50434345)
沼尾 成治 京都薬科大学, 基礎科学系, 講師 (90454074)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 総脂質酸化量 / 最大脂質酸化量 / 運動時間帯 / 中等度運動強度 / 若年者 |
Research Abstract |
【諸言】定期的運動はメタボリックシンドロームの予防・改善に有用で、特に中等度強度で30分/日以上の有酸素運動が効果的と多くのガイドラインが示している。しかしこれらガイドラインは運動実施時間帯まで言及していない。 神経系及び内分泌系は概日リズムを有し、運動に対する代謝系応答は朝と夕方で異なる可能性がある。運動実施時間帯の相違で代謝関連指標及びホルモン応答に相違を認めるならば、メタボリックシンドロームの予防や改善に有効な運動実施時間帯を提言することが可能となる。【目的】異なる運動実施時間帯に一過性持久性運動を実施し、代謝関連指標及びホルモン応答に及ぼす影響に関して検討すること。【対象と方法】対象は健常男子学生14名(24.3±3.0歳)。 本実験は、各被験者に2つの異なる運動条件【朝試行(09:00~10:00)及び夕方試行(17:00~18:00)】で実施した。 2試行は無作為化交差比較試験で行った。対象は運動開始3時間前に規定食を摂取し、両試行共に60%最大酸素摂取量強度で60分間の一過性持久性運動を実施した。各試行で運動前の安静時から運動後1時間まで呼気ガス分析を行った。運動前、運動中止直後、中止2時間後に血液採取を行い、代謝関連指標及びホルモンを測定した。【結果】運動中止直後では朝試行より夕方試行のアドレナリン(p<0.01)、成長ホルモン(p<0.001)ならびにIL6(p<0.01)濃度が高値を示した。また運動中止後2時間で朝試行より夕方試行の遊離脂肪酸濃度(p<0.05)が高値を示した。両試行間で脂質酸化量に有意差を認めなかった。【結論】異なる運動実施時間帯に一過性持久性運動を実施し、以上の測定データを検討した結果、朝と比較して夕方の運動後において脂質代謝亢進に関与するホルモン及びアディポカインの分泌が高まり、遊離脂肪酸の血中濃度を増加させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、初年度は運動強度の相違による総脂質酸化量の比較を行う予定にしていた。実際には運動実施時間帯(朝試行と夕試行)の相違による各種データの比較を行うことになってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
運動実施時間帯(朝と夕)を変えてトレーニングを行い、慢性効果に対する運動実施時間帯の影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究において研究費に残額が生じた原因としては、主に倫理審査が認められるまでに推測していた以上に時間がかかり、測定開始が遅くなったことが考えられる。それゆえ上記(今後の推進方策に記述)と共に、2年度は運動強度の相違による総脂質酸化量への影響を検討する実験を行う。
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Research Products
(14 results)