Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健 東北大学, 工学研究科, 教授 (90290692)
岡田 成幸 北海道大学, 工学研究科, 教授 (50125291)
榊原 保志 信州大学, 教育学部, 教授 (90273060)
大辻 永 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20272099)
根本 泰雄 桜美林大学, 自然科学系, 准教授 (30301427)
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Research Abstract |
本研究の目的としては,科学的リテラシー育成の観点から日本と東アジア等との自然災害の共通性を踏まえた防災・減災についての教育内容・方法開発に取り組み,開発した教材・プログラムの実践から新たな日本の防災教育及び東アジア等への教育貢献の在り方を探ることである。 平成24年度では,日本を含めた東アジア等において,近年の自然災害が学校や教育システムに与えた影響を探った。特に各界に未曾有の衝撃を与えた東日本大震災の課題について,今後の防災教育,防災管理の推進方法を探るために,STS教育(Science-Technology-Society相互関連教育)の観点から,被災地の現状や課題など事例を収集し,また自然災害及び防災・減災に対する国や都道府県の動向を掌握し,その分析・検討を行った。さらに,ESD(持続可能な開発のための教育)を科学教育の立場から進めていくために,東日本大震災前後の日本の防災教育を整理し,地震・津波災害,気象災害をはじめとした様々な自然災害に関する教育内容・方法,教員研修等を追跡した。また,それらを踏まえながら,モデル授業・研修等を実施し,それらの評価を行った。さらに,これらの内容,方法から,今後の東アジア等の教育に活用可能な内容や方法を探った。 以上,初年度の取り組みとしては,日本や東アジア等での現地調査や実践授業をもとに,日本各地域での防災教育の現状や復興への国際協力など,科学教育と関連付けたESDの観点から集約,整理することを通じて,今後の日本の防災教育の再構築と体系化を図る基礎となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災前後の教育界の動向についてのデータ等は順調に収集し,分析している。特に,被災地の現状と課題,さらには国や各都道府県等の震災後の防災教育,防災管理等に関する副読本の作成,教員研修等については分析,考察が終わり,一部,モデル的な教員研修や授業実践を行い始めている。また,東~東南アジアにかけての自然災害に対する防災・減災に関する教育の現状と課題,さらにはアジア以外の地域から捉えたESDに関連する防災教育についても,それなりに整理が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに国内で開発した教材やプログラムを用いて,東~東南アジアの国,地域でモデル授業等を実施し,その意義と課題を検証する。国内における被災地や国,都道府県の状況は引き続き追跡する。外国調査では,マレーシア,ベトナム,台湾等を予定しており,ESD,STSの観点から,各地域と防災に関する類似性と差異を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内被災3県の状況,国,都道府県レベルの防災・減災教育への取り組み調査,海外でのモデル研究授業実施及び記録調査などの国内外の調査旅費を使用する。また,記録の収集,調査分析のための,ビデオ等映像機器,データ分析機器.関連するソフト等を購入する。
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