Project/Area Number |
24300270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
山本 智一 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (70584572)
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 准教授 (70377729)
西垣 順子 大阪府立大学, 大学教育研究センター, 准教授 (80345769)
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 科学教育 / アーギュメンテーション / 知識構築 |
Research Abstract |
本研究の目的は,科学教育におけるアーギュメンテーション(argumentation)の理論と指導法を科学教育の専門家と科学者を含む学習科学等の研究者による総合的・学際的な共同研究によって,世界に先駆けて構築することである。 平成24年度では,アーギュメンテーションの要素としてのトーキングとライティングの暫定的な理論構築に注力するとともに,その理論に対応した指導法を考案し,主に小学校5/6年を対象にした小規模の予備的な実証実験を実施した。上半期には,通常の遠隔会議とともに,対面の研究打ち合わせ会議を開催し,分担の明確化及び研究計画の詳細を協議した。研究の役割分担としては,理論構築,指導法開発,ICTを活用した学習支援環境の開発とし,連携研究者からは,科学者の立場からの真正なアーギュメンテーションの例示を受けた。同時に,国内外の先進的取り組みの実地調査・研究資料の収集を行った。下半期には,小学校において予備的な実験を神戸大学附属小学校(住吉校)の協力により実施した。 本年度における研究成果としては,.欧米におけるアーギュメンテーションの理論を概観し,その一部を教授方略と結びつけることで授業デザインの試案を作成できたことである。また,そのデザインに即した授業の実証実験において,アーギュメンテーションを促進できる指導法の開発の可能性が見いだせたことである。これらの成果は,日本理科教育学会,日本科学教育学会,Australial Science Education Research Asscciation等の学会で発表された。また論文についても,日本理科教育学会の『理科教育学研究』,日本科学教育学会の『科学教育研究』等に公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的については,H24年度については順調に達成されている。実験も順調であり,成果も論文4編学会発表6件と一定程度のものが蓄積されているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には,初年度の暫定的な理論に基づいた予備実験授業の評価の結果に基づいて,小学生を対象として,理論構築,指導法開発,学習支援環境開発に取り組み,トーキングとライティングを統合した本格的な授業デザインの開発を試みる。 (1)基礎的な文献研究とそのデータベース化等を継続する。 (2)上半期には,初年度と同様に,通常の遠隔会議とともに,対面の研究打ち合わせ会議を開催し,分担の明確化及び研究計画の詳細を協議する。研究の役割分担としては,理論構築,指導法開発,ICTを活用した学習支援環境の開発とし,連携研究者からは,従来通り,科学者の立場からの真正なアーギュメンテーションの情報提供を受ける。 (3)下半期には,小学校において本格的な実証実験を神戸大学附属小学校(住吉校)の協力により複数の単元を対象に実施する。 (4)研究成果は,初年度のものについては,ESERA2013(キプロス)等に採択され,すでに本年度における発表が決定している。また,ICCE2013(インドネシア)等にも投稿を予定している。さらには,それらの成果をより綿密に分析し,論文化を行う。論文化としては,日本科学教育学会『科学教育研究』,日本理科教育学会『理科教育学研究』等の論文誌を想定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費,旅費,人件費,その他の費目について,使用する計画である。特に,本年度は,海外における成果発表に注力するため,海外旅費に充当する予定である(ESERA2013とICCE2013等)。
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