2013 Fiscal Year Annual Research Report
英語を介した理工系高等教育の向上を支援するシステムの開発
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24300273
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
国吉 ニルソン 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30254577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 ジュディー津多江 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (30351787)
東條 加寿子 大阪女学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20258346)
林 洋子 大阪大学, 学内共同利用施設等, 助教 (90437377)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | English medium / 科学教育 / 講義コーパス / science pedagogy / 言語支援 / 教授法支援 / faculty development |
Research Abstract |
平成24年度に開発した The Online Corpus of Academic Lectures (OnCAL, http://www.oncal.sci.waseda.jp) を,平成25年度中に以下のように改訂した. 1.平成24年度の開発した段階では,OnCAL ユーザ(英語非母語話者教員や学生)はアメリカの大学(MIT や Stanford 大学)で実施されている講義に使用される英語を参考にするために,単語や表現を事前に思い浮かべる必要があった.そこで,日本人教員を含む英語非母語話者教員を対象としたファカルティ・ディベロップメントセミナーにて,OnCAL を使用した際に教員は各自の分野に関する専門用語しか検索しなかったことがわかった.OnCALを開発した目的は,英語母語話者教員が理工系の講義にて用いる説明方法などを英語非母語話者教員や学生に参考例文として提供することであった.つまり,英語による pedagogy の例文を多く提供する目的としていたが,開発直後の段階では OnCAL がユーザにとっては使いやすくはなかった.そこで,まず "starting lecture", "comparing" などの linguistic functions を設定し,それぞれの function に典型的な表現を登録した.これによって OnCAL ユーザは,単語や表現を事前に思い浮かべなくても,参考にしたい linguistic function だけを選択して多くの例文を参考にすることを実現した. 2.さらに,pedagogy を支援することは OnCAL 開発の最大の目標であったため,linguistic functions を "Class management", "Using analogy" などの pedagogical functions に変更した.各 function に典型的な単語や表現を多く登録し,ユーザが目的の pedagogical function を選択して検索するだけで英語による pedagogy に関する多数の例文を,function 毎に参考できることを実現した. 3.ユーザが例文を系統的に整理できるように,ソート機能などの詳細な機能の性能も改善させ,ユーザのニーズにより効果的に応えるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度中に参加した国際会議および調査した数カ所(Vienna, Nicosia, Firenze)にて,複数の科学教育専門家と CLIL (Content and Language Integrated Learning) 専門家と打ち合わせることができ,多くの知見を得た.また,数多くの資料(科学教育に関する書籍,論文,複数の大学における英語を介した教育に関する資料)を参考にし,OnCAL を改訂する上で大変重要なヒントを得た.未だに OnCAL のユーザとして考えられる多くの非母語話者教員や学生に,改訂した OnCAL の使用を促し,そのフィードバックを収集して今後活かせないといけないが,平成25年度は OnCAL 開発を早めた,大変有意義な期間となった.
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Strategy for Future Research Activity |
OnCAL 改訂作業の中心部分は完成したと考え,平成26年度中には非母語話者教員や学生に OnCAL の使用を促し,意見等を収集して活かせる予定である.具体的な計画は下記のとおり. 1.早稲田大学理工学術院で開講される国際コース科目の担当教員を対象にワークショップを開催し,英語による講義を効率よく準備できる方法として OnCAL の活用を促す 2.早稲田大学理工学術院で開講される通常コースの英語科目にて日本人学生に OnCAL の使用を促す 3.上記のワークショップや授業におけるユーザから直接意見を収集する以外に,OnCAL サイトにてユーザが意見を投稿できるように機能を設ける 4.ユーザからの意見や希望をさらなるサイト開発に活かす
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用額が生じた最大の理由は,OnCAL 開発の一部(ソート機能の一部,ユーザフィードバック収集機能,検索スピード改善)は平成25年度中にできなかったことである.また,報告書の印刷や国際学会において研究組織全員で成果報告を行うために資金が必要である. OnCAL 開発完成,報告書作成,国際学会にて成果報告
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Research Products
(2 results)