2012 Fiscal Year Annual Research Report
臨床試験参加者の語りデータベース構築と被験者保護の質向上に関する研究
Project/Area Number |
24300294
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 香織 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50345766)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 悦子 北里大学, 薬学部, 准教授 (60220240)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 臨床試験 / ナラティヴ / インタビュー / データベース / 被験者保護 |
Research Abstract |
1.インタビュー実施体制の整備 本研究班員の協議により、インタビュー協力者の選定基準・除外基準の設定、インタビュー・ガイドの確定、募集方法の確定のうえ、東京大学医科学研究所倫理審査委員会及び北里大学北里研究所附属病院倫理審査委員会への申請を行い、承認を得た。同時に、NPO法人DIPEx-Japanの情報倫理委員会からの承認も得た。 また、インタビューを担当する者として2名を選出し、NPO法人DIPEx-Japanにより、インタビュー実施手法、コーディングなどに関するトレーニングを受講させた。さらに、英国で実施された研修にインタビュー担当者が参加した。 2.インタビューの実施 今年度は、6名の方へのインタビューが終了した。疾患は、リウマチ、骨粗鬆症、異形狭心症、鼠径ヘルニア、気管支喘息、潰瘍性大腸炎であった。インタビューが終了した6名のうち、2名については、データベースに掲載できる情報が完成しており、それ以外の4名については反訳内容等の確認まで終了している。 3.臨床試験・治験語りデータの社会的影響に関する検討 本プロジェクト特有の事情として、語りデータの公開にあたり、全体として臨床試験-治験の参加促進に偏る内容にならないよう留意する必要がある一方、臨床試験・治験の実施に支障を来さないようにしなければならないという課題があるため、臨床試験・治験の依頼経験があり、実際に実務で関わった方々や、本プロジェクトの趣旨も理解して下さっている法務の専門家の助言を受けて、「臨床試験実施体制との臨床試験の語りデータ取扱いガイドライン検討会」を開催し、ルールの検討を行った。検討会では、(1)本モジュールの中立的な立ち位置を明瞭にするため、インタビュー項目や患者選択基準等を公表するのも一案、(2)薬剤名はできるだけ非公開とする、(3)本人の病いの文脈のなかに臨床試験・治験が位置づけられるように患者背景を丁寧に聞き出すインタビューの技術が必要、(4)費用負担・経済的利益に関する語りの取扱いについて、負担軽減費だとわかる語りは、ウェブ上で公開されてもよい、といった事柄が議論された。上記の議論を踏まえて当面のガイドラインを作成することとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュアーの家庭の事情等により辞退があり、インタビューの開始は遅れたが、その分、実施体制が丁寧に構築され、インタビューは順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度より、インタビュアーの2名体制が確立するため、NPO法人DIPEx-Japanの協力を得て、今後、インタビュー対象者を拡大するための広報活動を強化する予定である。これにより、予定通り計画を遂行できると考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュアーの確保が難航したため、人件費・謝金の執行が抑制された。来年度はインタビュー対象者を拡大できるため、予定通り執行可能であることが見込まれる。
|
Research Products
(7 results)