2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児の化学物質複合曝露による次世代健康影響の母体血・臍帯を用いた評価法の開発
Project/Area Number |
24310021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 千里 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90174375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮山 政敏 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (70175339)
戸高 恵美子 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (30334212)
花里 真道 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00608656)
松野 義晴 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00376378)
中岡 宏子 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (60588648)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境影響評価 / 化学物質 / 次世代影響 / 複合曝露 |
Research Abstract |
本研究では,化学物質の胎児への複合曝露状況を反映する曝露量アセスメント・システムと、臍帯のエピゲノミクス(網羅的なエピジェネティクス解析)を用いた個々の胎児の化学物質の感受性評価システムを開発し、さらに、この二つのシステムを基盤にして現状の化学物質曝露による胎児・次世代の健康に対する高リスク群を母体血や臍帯を用いて検出する次世代健康影響評価法の開発に向けた研究を行うことを目指すものである. 研究中間年度となる平成25年度については,特に本研究の基盤となる“胎児の高曝露群検出システムに関する研究”において、母体血中PCB濃度測定結果からの胎児への残留性化学物質移行及び胎児曝露推定システム開発に関する研究に取り組んだ. 今年度の研究遂行により,提供された105名の母体血と200名の父体血からパックドカラムを用いたガスクロマトグラフによるPCB濃度分析を行った。母体血では0.27 ± 0.20 ng/g-wet、父体血では0.37 ± 0.20 ng/g-wetのPCBが血中に含まれることを明らかにした。現在、昨年度の研究データである352名分の母体血中PCB濃度結果と、本研究で得られたデータの照合によって、母体から得られたデータによる1)経産歴、2)年齢・体重とPCB濃度の関係、さらには父・母から得たデータによる3)食生活、4)居住エリアとPCB濃度の関係について、その傾向の解明を進めている. 研究最終年度(平成26年度)に遂行する血中PCB濃度分析結果と質問紙調査による対象者の生活習慣等の検討にさらに進め、胎児側となる臍帯血中PCB濃度との検証が待たれるところで、最終的には「胎児への残留性化学物質の移行及び胎児曝露の推定」について究明することになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度から継続し“胎児の高曝露群検出システムに関する研究”について取り組み,研究方法の妥当性および胎児への残留性化学物質移行の動向について概ね把握することができた。これにより、次の課題となる“エピゲノミクスを用いた胎児の化学物質に対する感受性評価システム”や“化学物質の胎児期曝露による次世代の健康への高リスク群検出のためのバイオマーカー用いた影響評価法”の確立を構築する基礎データが集積しつつあり、最終年度の研究計画に繋がる準備が整ったことため、“おおむね順調に進んでいる”との評価に至った.
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Strategy for Future Research Activity |
研究遂行の最終年度を迎えるため,研究骨子に掲げた3つの骨子について、さらに追視および検証を進めることを課題と捉え,研究を遂行している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画にて国内旅費、外国旅費を計上しておりましたが,変更になり旅費が発生しなかったことにより次年度使用額が生じました. 当初の研究計画に従い,生体試料の測定分析により得られた知見と,質問紙による調査内容の検証を進める.加えて,他2つの骨子(エピゲノミクスを用いた胎児の化学物質に対する感受性評価システムの確立,化学物質の胎児期曝露による次世代の健康への高リスク群検出のためのバイオマーカー用いた影響評価法の開発)の確立を目指し,取り組む. 最終年度として,報告書作成費及び,成果発表のための国内旅費及び外国旅費,資料整理や論文校閲などの研究推進に使用する予定である.その他研究進行必要経費として,交通費,印刷費,消耗品費などに使用する予定である.
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Research Products
(2 results)