2014 Fiscal Year Annual Research Report
市民のリスク認知とゼロリスク要求の構造と変化:新たな合意形成手法の開発に向けて
Project/Area Number |
24310030
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村山 留美子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 講師 (20280761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 巌雄 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員 (20151897)
岸川 洋紀 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (70469071)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リスク / 許容リスク / 社会調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本は2011年3月11日に東日本大震災と,それに伴う原子力発電所事故により大きな被害を受け,現在もその解決に至っていない。今後,原発事故による被爆に関わる健康影響や食品汚染,災害対応など,様々なリスクに関する合意形成が非常に重要になることが予測される。 本研究では,今後適切なリスクコミュニケーションを行うために必要な,リスク事象に対する市民の認知およびゼロリスク要求の構造についての震災後の全体像の把握と,大震災および原発事故に関わる変動の解明を目的として調査を実施し解析を行った。2014年度は,2014年2月に実施した全国の男女20歳以上の4000人を対象とした面接調査の結果について詳細な解析を行った。震災による原発事故以降,事故により大気中に放出された放射性物質による健康影響などが大きな話題になったが,大気中の発がん性化学物質については,回答者本人や家族が被害を受ける可能性が一定以上あると考える人が震災前の2008年の調査よりも震災後の2014年の調査で増加した一方で,同様に回答者本人等が被る被害は小さいと考える人は震災後に増加しており,震災前では「被害を受ける可能性は低いが,受けた場合のその被害の程度は大きい」と考えられていたリスクであったのに対し,震災後では「被害を受ける可能性は一定以上あるが,受けた場合の被害はそれほど大きくない」リスクと捉えられているなど市民の認識に変動があったことが認められた。また,許容リスクレベルの選択については,全体としては,0リスクを含む生涯リスクに換算して10の-4乗以下のリスクを求める人の割合が震災前と比較して震災後で低い傾向がみられた。またこれらの選択については性差が認められ,特に男性において,「本人や家族が被害を受ける可能性が(相対的に)低い」と考える人では,そうでない人より,より高いリスクを許容する傾向が認められた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)