2013 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線のゲノム毒性に対する皮膚組織レベルの防衛機構の解明
Project/Area Number |
24310036
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池畑 広伸 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90250737)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 紫外線 / 皮膚 / MIS応答 / アポトーシス / 突然変異 / DNA損傷 / 遺伝子組換えマウス |
Research Abstract |
紫外線のゲノム毒性に対する皮膚組織レベルの防衛応答である変異誘発抑制(mutation induction suppression, MIS)応答の機構を解明するため、アポトーシスに基づく組織交代修復モデルを立て、それに基づきDNA損傷生成・突然変異誘発・アポトーシス発動の指標を用いて分子生物学的・遺伝学的・組織学的解析を試みている。 まずMIS応答を規定する原因DNA損傷を同定するため、基礎生物学研究所の単波長紫外線照射装置大型スペクトログラフを用いて、紫外線で生成するDNA損傷のうちシクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)と6-4光産物(64PP)の生成作用スペクトルの解析を行い、その概要を明らかにした。また別の紫外線特異的DNA損傷であるDewar異性体についても本研究で検討を行った特異的モノクローナル抗体を用いて定量的検出に着手した。 また組織学的方法によりMIS応答に伴うアポトーシスを解析する研究について、実験条件の検討を行っているが、本格的なMIS応答解析はこれからである。 一方、DNA修復欠損による皮膚病態とMIS応答異常との関連性の遺伝的解析については、Xpa欠損マウス、Xpc欠損マウス、Xpv欠損マウスで更に解析を進め、Xpa欠損マウスの著しいMIS応答の亢進に対し、Xpc, Xpv欠損マウスは野生型マウスより軽微な亢進であることを明らかにした。 本研究の成果として、突然変異の作用スペクトルを詳細に解析したデータから明らかにしたMIS応答の波長依存性を国際学術誌に発表すると同時に、国際学会でも発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織学的方法による解析が遅れているが、方法論の問題ではなく、実験動物の飼育施設間移動に伴う手続きによる遅れが影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
組織学的手法による解析を推進し、MIS応答機構の組織交代修復モデルの証明に特に力を注ぎたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
組織学的解析に必要な実験動物の移動により、十分な研究実施ができず、助成金の未使用分が生じた。 当該未使用分は平成26年度分と合わせ、従前より予定していた助成分に加えて、組織学的解析に必要な試薬等の購入に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Action spectrum analysis of UVR genotoxicity for skin: the border wavelengths between UVA and UVB can bring serious mutation loads to skin.2013
Author(s)
H. Ikehata, S. Higashi, S. Nakamura, Y. Daigaku, Y. Furusawa, Y. Kamei, M. Waatanabe, K. Yamamoto, K. Hieda, N. Munakata, T. Ono
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Journal Title
Journal of Investigative Dermatology
Volume: 133
Pages: 1850-1886
DOI
Peer Reviewed
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