2013 Fiscal Year Annual Research Report
安全な自転車利用促進を目指す循環型社会の新しい交通システム構築のための基盤研究
Project/Area Number |
24310122
|
Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
真家 和生 大妻女子大学, 博物館, 教授 (30157119)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植竹 照雄 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授(Professor) (10168619)
岡田 明 大阪市立大学大学院, 生活科学研究科, 教授(Professor) (30158810)
山岡 俊樹 和歌山大学, システム工学部, 教授(Professor) (10311789)
岸田 孝弥 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主幹研究員 (00106262)
橋本 修左 武蔵野大学, 人間科学部, 教授(Professor) (40328935)
堀野 定雄 神奈川大学, 高安心超安全交通研究所, 准教授(Associate Professor) (80078310)
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授(Associate Professor) (20360117)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 自転車 / 安全 / 交通システム / 循環型社会 / 自転車事故 / 安全教育 / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度(平成25年度)は、本研究の2年度目にあたる年であり、各研究班(4班)がそれぞれの課題を拡大しつつ継続的に研究を遂行してきたことは勿論であるが、特に本年度は、オランダのTNO財団(オランダにおける交通全般を対象とする高等研究所)とのチャンネルができたことをきっかけに、自転車王国オランダでの調査研究を行い、かつTNO財団と我々研究グループとの共同研究発表会を持つことができたということが特記すべき事柄である。すなわち、平成25年11月に、研究協力者2名を加えて、オランダに赴き、デルフト市においてTNO財団と共同研究発表会を持ち、自転車事故の年次推移やその基本的構造(自転車事故の交通事故全体に対する割合の増加傾向と、高齢者の事故率の増加傾向)が日本と同様であることなどを確認することができた。と同時に、自転車に対する基本的な考え方やインフラに、オランダと日本では大きな格差があることも認識された。オス市およびデンボス市では自転車優先道路(自転車用ラウンドアバウトを含む)などを実際に走行し、高校生の通学時の自転車走行についての実地調査を行い、小学校での自転車安全教育の現場を視察することができた。また、自転車専用の”PleasantPass”(恐怖心を取り除くためにクイズなどを取り入れた自転車用アンダーパス)の設計者から、直接、その設計思想等についての解説を受けた。そして、帰国後、これらの知見を盛り込んで、人類働態学会東日本地方会に併せて一般公開シンポジウムを開催した。また、平成26年になり、そのPleasantPass設計者(ピーター・ヤン・シュターレン氏)の来日に合わせて、ヤン・シュターレン氏も含め、他の自転車研究グループ(自転車活用推進研究会など)との情報交換を行った。これらを収穫として、最終年次の研究課題およびまとめに向けての問題点の整理を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究としては各班ごとに順調に成果を上げていると判断している。また、今年度の目標であったオランダのTNO財団との共同研究発表会を持つなど、今後につながる顕著な成果が挙げられたと考えている。なお、まだ課題があるものの(日本における具体的な自転車の利用促進の方策など)、最終年度の研究の方向性を決定するなどの作業を着実に行っている段階と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
各班個別の研究課題については、テーマの拡大を含みつつまとめの段階に入ることになると判断している。そして、今後は、各班の研究成果を総合した形で、本来の目標である(また本研究の課題ともなっている内容の)「安全な自転車利用促進を目指す循環型社会の新しい交通システム構築」のためには何が必要なのかを検討していきたいと考えている。そのためには、各班個別の研究成果の統合だけでなく、今年度、オランダでの調査研究などで得られた多角的な自転車利用に関する視点を参考にする必要があると痛感している。もとより、オランダと日本での自転車に対する考え方やインフラ整備の質と量は大きく異なっており、オランダを追従したのでは我が国における自転車利用の促進にはつながりにくい(あるいは方向性を誤る)と考えられるため、日本における自転車利用の特質(例えば、災害時の交通手段としての自転車の活用、あるいは物資輸送のためのインフラとしての自転車の役割など、また幼児運搬の道具としての特性や、高齢者の移動手段としての自転車の価値など)を十分認識して取り組んでいきたいと考えている。最終年度に向けて、研究成果を総括した上での、社会に対して提言ができればと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた実験が、次年度にのびたため。 今年度(平成25年度)実施予定の実験項目の一部を次年度(平成26年度)に行う際、必要な機器予算の支出のため使用する。
|
Research Products
(9 results)