2012 Fiscal Year Annual Research Report
構造推定を用いた発展途上国市場と産業発展の分析-東南アジア二輪車産業の事例
Project/Area Number |
24310191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
藤田 麻衣 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (50450507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 百合 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 上席主任調査研究員 (00450453)
渡邉 真理子 学習院大学, 経済学部, 教授(Professor) (10466063)
町北 朋洋 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (70377042)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 市場 / 産業発展 / 構造推定 / 東南アジア / 二輪車産業 / インドネシア / ベトナム |
Research Abstract |
本研究は、市場を巡る需要側と供給側の行動と、それらの相互作用を明示的かつ定量的に分析するための構造推定というアプローチを用いて、インドネシアとベトナムの二輪車産業の構造を統合的に把握することを目的としている。 研究開始年度にあたる平成24年度には、まず、インドネシア・ベトナム両国における二輪車の需要面・供給面を定量的に把握するための基盤情報の整理を行った。当初予定していた二輪車の購入者・世帯についてのデータ分析は、平成25年度以降にインドネシアとベトナムでの調査を通じて収集する需要側・供給側のデータとの整合性が確保できるよう、次年度以降に延期することとしたが、既存の研究成果の整理や現地調査を通じて、両国の需要と供給の特徴をとりまとめた。 次に、整理した基盤情報をもとに、需要側の行動、供給側の行動、および供給側における二輪車企業と部品企業の交渉関係を描写する理論モデルを作成し、英文のペーパーとしてとりまとめた。このモデルは、需要側が製品の質と価格双方を評価するという要因、あるいは供給側がコスト削減や品質向上のためにとる行動を明示的に区別することにより、ある市場や産業の発展のプロセスにおいて、需要側の要因、企業側の行動がどのように作用しているのかを特定できるという利点があることに加え、地域研究を通じて蓄積されてきた産業についての詳細な制度的知識が反映されているという点において意義深いものである。 さらに、インドネシアとベトナムにおける調査の準備にも着手した。両国における調査協力機関の候補を洗い出し、二輪車の需要と供給の調査にあたってどのような体制や方法をとることが可能かについて議論した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に掲げた平成24年度の計画のうち、二輪車の購入者・世帯についてのデータ分析は、平成25年度以降にインドネシアとベトナムでの調査を通じて収集する需要側・供給側のデータとの整合性を確保するために次年度以降に延期することとした。その一方、需要・供給についての基盤情報の整理やモデルの構築といった作業は順調に進んでおり、当初計画では平成25年度に予定していた調査実施に向けた体制作りや準備については前倒しで平成24年度から開始している。以上から、本研究はおおむね順調に進展していると判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の産前産後休暇および育児休業の取得に伴い、平成25年7月21日から研究活動を中断している。活動再開後、平成26年度はインドネシアとベトナムでの調査に向けた体制構築と準備に注力し、平成27年度に両国で需要側・供給側の調査を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では、初年度に二輪車の購入者・世帯についてのデータ分析を予定していた。しかし、平成25年度以降にインドネシアとベトナムでの調査を通じて収集する需要側・供給側のデータとの整合性を確保するためには、調査と同一時点のデータを収集・分析することが望ましいとの判断に至ったため、二輪車の購入者・世帯についてのデータの取得を延期することとした。 研究代表者の産前産後休暇・育児休業取得に伴い、平成25年7月21日から研究を中断することとなったため、インドネシアおよびベトナムにおける調査は平成27年度に延期された。二輪車の購入者・世帯についてのデータは、調査と同一時点のものが入手可能となった時点で取得する予定である。
|