2012 Fiscal Year Annual Research Report
描いた女性たちに関する研究―桃山時代から明治・大正期まで
Project/Area Number |
24320029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
仲町 啓子 実践女子大学, 文学部, 教授 (80141125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 法子 実践女子大学, 文学部, 教授 (20135601)
児島 薫 実践女子大学, 文学部, 教授 (40195714)
田沢 裕賀 独立行政法人国立文化機構東京国立博物館, 絵画彫刻室長 (80216952)
中村 麗子 独立行政法人国立美術館東京近代美術館, 企画課, 研究員 (50371000)
山盛 弥生 実践女子大学, 香雪記念資料館, 研究員 (90433763)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 女性画家 / 日本女性史 / ジェンダー研究 / 女子教育 / 日本絵画史 / 文人趣味 / 女性の社会的活動 / データベース |
Research Abstract |
【作品及び伝記資料の実地調査】研究代表者・分担者・協力者などが適宜参加した。主なものに、広島・尾道を中心に、平田玉〓(1787-1855)や上田琴風(1788-1838)、水戸の立原春沙(1818-1858)、古河の奥原晴湖(1837-1913)、金沢の溶姫(徳川家斉の娘、1813-1868)、山梨の野口小顔(1847-1917)、近江の織田瑟々(1779-1832)、筑波の波多野華涯(1863-1944)、京都では清原雪信(1843-82)と江馬細香(1787-1861)、などがある。調査した作品の検討会を開き、調査データの確認、真贋問題の検討、落款・印章・讃・箱書あるいは付属文書などを解読し、データベースとして蓄積している。特に、各出身地では、単に新資料の発掘だけでなく、御子孫の方々やその地の研究者にも直接会って意見を交換し、多くの情報を得ることができ、女性画家の制作と地域社会との関わりに関しても理解を深めることができた。【研究会の開催】大阪歴史博物館の岩佐伸一氏に、江戸後期から明治初期にかけての書画会における女性たちの活動について、貴重な資料を交えての発表を窺った。関連分野の研究者にも多数参加戴き、発表後の活発な質疑応答を含めて、女性たちの歴史的な絵画活動のあり方について認識を新たにした。特に年少の少女たちの活動は、女性の作画の特殊な性格を浮き彫りにしているように思われる。【記録された女性画家についての資料収集】江戸から明治期の女性画家に関する広範囲の文献(画史・画伝以外にも番付表書画会の記録その他)のなかから女性画家に関する記述をピックアップし、記述された女性画家の一覧表を作成する作業を行った。テキスト化の作業はかなり進められているが、まだ完成の域には達していないので、当該研究期間内の完成を目指す。【その他】実践女子学園香雪記念資料館では「知られざる女性画家たち一もう一つのまなざし-」を開催し、カタログパンフレットには女性画家に関する本研究の成果が多く盛り込まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実地調査や研究会の実施、そしてデータベース化もほぼ順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、現行の方法を継続発展させる。調査対象画家の範囲を広げるとともに、対象地域も増やして行きたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査旅費、研究補助(大学院生アルバイト)、研究会(講演会)講師謝礼ほか。
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Research Products
(2 results)